第9話 九

 その後、俺たちはいろんな所にデートで行った。

東京付近のことは詳しくない香織だったから、大抵の場所は香織にとって初めて行く場所であった。

 だから彼女は少し緊張していたのだろう……そうでないとしても、初めての所は勝手も分からず神経を使うものだ。だから俺は彼女をリードする。そしてそれについてくる香織を見て、俺は「かわいいな」とも思うのであった。

 また、俺は彼女のおかげで、柄にもない営業の仕事もいつも以上に頑張ろうと思えた。相変わらず作り笑いは苦手だが、そんな物でも無意味ではない、それは彼女が教えてくれたのかもしれない。

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