第2話 二
二
「上田(うえだ)さん、いつもフォローありがとうございます!」
「おう。後は今日の記録まとめとけ」
俺、上田朋也(うえだともや)は都内の会社で働くサラリーマンだ。職種は営業。しかしまあ、俺はこの仕事には向いていない……、入社直後はそんなことばかり思っていた。
「上田、言葉遣いには気をつけろ。お前の敬語、丁寧にしているつもりかもしれないが全然誠意が伝わってこないぞ」
こんなこと、職場の上司に何度言われたことだろう。営業に必要な要素は、愛想笑い。会釈。丁寧過ぎる言葉。……学生時代の俺が聞いたら、くだらねえと馬鹿にするものばかりな気がする。
そうやって入社直後の俺はいつもふてくされていた。それは俺の表情筋にも現れていたようで、
『何で俺がこんなことやんなきゃいけねえんだよ!』
俺は社会人になってからバッサリ切った短髪を抱え、いつもそんな顔をしていたようだ。
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