彼女達
とある家の前
「やーくんの匂いを辿ってたらこんなとこまで来ちゃった…ここって確か…でもやーくんの匂いはこの中まで続いてるし…」
ここって確か5年くらい前に一家全員での心中があったって場所だよね…なんでやーくんの匂いがこんな場所まで?
「あら、まこさん?どうしてこんな所に?」
突然後ろから声をかけられる
「あっ!ユッキー。えっとね私はやーくんを探してたらここにたどり着いたの。ユッキーこそどうしてこんな場所に?」
…多分、理由は同じだよね
「私もあなたと同じ理由よ。そんなことより、やっぱりここの中に月夜くんがいるのね…」
「そうだね私がやーくんの匂いを間違えるはずないし…というか、ユッキーはどうやってやーくんを追ってきたの?」
「………覚よ…」
「なんて言ったの?」
「だから……覚よ…」
「だからなんて言ったの?聞こえないよ〜」
「だから!味覚って言ったの!!」
「………」
「………」
「…す…すごいね…」
「………」
「だから言いたくなかったの!?私だって空気中に含まれる月夜君の味が濃い方に移動するなんて人に言いたくなかったわよ!!」
「そこまで知らなかったんだけど!?」
友達のやばい一面を知ってしまった…
いや、私も十分にやばい方だと思うけれども…それでも味で探すってやばすぎるよユッキー
「あれ?まこちゃんに雪華さん?早いですね」
「「キャー!!???」」
「きゅ、急に後ろから話しかけないで頂戴」
「そ、そうだよ。ひーちゃんものすごくビックリしたんだからね!!」
「す、すみません。それでここに居るって事はお二人も夜長君を助けに来たって事でいいんですよね?」
「うん」 「えぇ」
「ならば早く行きましょう。もう時間もあまり無さそうですから…」ボソッ
こうして私達は屋敷の中に入っていった
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「あああああああぁああああぁ!!!!!」
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ
来るな…もう出てこないでくれ…なんでだ…どうして…もう捨てた筈だ…捨てた筈なのに
「うふふ…思い出してお兄ちゃん。それは決して捨てられない物。お兄ちゃんを蝕んで離さないたった一つの呪い。それがある限り私たちは決して離れ離れにならないにならない。だから…」
やめろ…やめろ…やめろ…やめてくれ
それ以上は…それ以上はもう…
「『これからもずっと一緒にいようね』」
やめてくれ…!!
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「あああああああぁああああぁ!!!!!」
「「「!?」」」
「今の聞こえた!?」
「えぇ確かに聞こえたわ!!」
「あっちの方です!急ぎましょう!」
夜長くんどうかご無事で…
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とある部屋
「うふふふ…やっと会えますわねお兄様♡」
…
…
…
「あら?覗き見しされてましたのね。確か皆様は………まあいいでしょう…私に気づいたご褒美です。さとりは意地悪で教えなかった言葉の意味、教えてさしあげますね…」
『私はお兄ちゃんの本当の妹ではありません
お兄ちゃんの本当の妹は他にいるんですよ』
「この言葉の意味、よく考えておいてくださいね…皆様」
「それでは御機嫌よう読者の皆様」
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