怖い話⑯

564219

殺人

「ザクッ…ザクッ…」


 真夜中に台所から音がする。一人ぐらいのA子さんは台所を覗いた。


 「ザクッ…ザクッ…」


 台所には誰もいない。


 「ザクッ…ザクッ…ゴキッ!」


 急に音が変わった。まるでものすごい固いものを切ったかのような音だった。


 そこで目が覚めた。


 「夢か…」


 朝ごはんを食べ学校に行きいつもの日常を過ごしてまた夜。


 「ザクッ…ザクッ…」


 今日も同じ夢か…


 「ザクッ…ザクッ…」


 目が覚めた。たまには良い夢を見たいと思いながら起きて台所に入ると台所が真っ赤に染まっていた。そして…


 「なんでA子は死んでしまったの…」


 A子のお母さんが泣き崩れていた。そばでお父さんが無言で背中をなでていた。


 「私はここにいるよ!」


 そういって両親に触れようとしたがそれはかなわなかった。


 「なぜ…」


 「A子…あれほど戸締りには気を付けてって言ったのに…あんな殺人鬼に体を切られて死んでしまうなんて。」


 そこでA子は思い出した。そうだ。私は殺人鬼に体を切り刻まれて死んだんだ。夢だと思ったのは私が死んだあと私自身が切り刻まれている音を聞いたんだ。


 あれ…?でも…その殺人鬼って…


 ふとお父さんを見るとお父さんはこちらを見つめていた。


 まさか…私を殺したのって…


 「A子…死んでくれてありがとう…お前を切り刻むのは楽しかった…」


  
















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