怖い話⑮

564219

マンション

これは一人暮らしをしている大学生の身に起こった出来事だ。


 大学英のAさんは高校卒業とともに一人暮らしを始めた。お父さんが某会社の社長と言うこともあり、家はかなりのお金持ちだった。そのおかげか一人暮らしにしてはありえないほどの広さのマンションの最上階に一人暮らしをすることになった。


 「ああ!やっぱりお金があるって特別な感じがするな!」


 マンションから見える景色は最高だった。朝は朝日が良く見えて夜は星空を眺めながら読書ができる。本当に最高の場所だった。


 Aさんは友達を自分のマンションに呼びお泊り会をした。


 「さすがA!お金持ちっていいな…!」


 友達はとてもうらやましそうにしていた。しかし…


 「うらやましいから言ってるわけじゃないからよく来てね?今すぐ引っ越したほうがいいよ。」


 急に友達から言われた言葉にAさんは一瞬何を言っているのかと思った。


 「何を言っているの?ここは景色もよいし何しろ最上階!離れたくないよ。」


 Aさんの友達は霊感があると認められているほどの霊感の持ち主だった。


 「ここには男性の霊がいるよ。ここ事故物件だよ。」


 しかしAさんはこの部屋がお気に入りなだけあって絶対に離れたくなかった。だからと言って友達に嫌だとは言えない。


 「わかった。両親と話し合って決めるから。でもありがとうね。」


 友達に感謝の言葉を述べとりあえずその場は喧嘩をせずにすんだ。そして次の日友達が帰るとき、


 「絶対に引っ越すんだよ。私はAにいなくなってもらいたくないから。」


 Aさんにそういうと友達は部屋を出て行った。


 「本当になんだったんだろう。この部屋誰が手放すもんか。」


 そして一週間後Aさんは首をつって死んでいた。しかしおかしいのは死に方だという。ロープで首をつって死んだらしいのだが、天井にロープを括り付けられるような場所はなく発見者曰く



 「ロープで首をつって死んでいたんです。だけど…だけどロープ浮いてたんですよ!」

 発見者は警察にそう証言をしたが信じてもらえなかった。しかし発見者はアリバイがあったため犯人扱いはされなかったらしい。


 その後Aさんの家に泊まりに行ったことがある霊感のある友達がAさんの死因を警察から聞いたときこういったそうだ。



 「だから言ったのに…男性の霊がいるって…首を吊った状態でずっとAの事を見ていたから危ないと思ったんだよね。でも除霊ができる私もしなくてよかった。だってAの事大っ嫌いだったから。」


 その後あのマンションに住んだ人はなぜか一週間持たないうちに全員首をつって死んでしまうという。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

怖い話⑮ 564219 @commnder

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る