第24話 世の中って狭いみたいだな

次の日、太陽が頂点にくる少し手前頃にメッセージが来る。


【岡崎、毎度ごめん。ぜんっぜん記憶ないんだ。なんか変なこといってなかった??】


昨日はあの後、倒れるようにゆうちゃんが寝ちゃうもんだから、女性のタクシードライバーさん呼んで、住所言って押し込んだ。


俺のこと好きだ〜って叫んでいたのは内緒にしてあげよう。どうせ、覚えてないくせに言った言わないになだけだしな。


【おはよう。昨日は余程気持ちよくねれたろうね。ちなみに上司の悪口を散々叫んでたよ】


ちょっとくらい、嫌味を言ってもバチは当たらないだろう。


【それはごめん。今度、埋め合わせするから。ゆるちて( ^ω^ )】


こういう、図太めの性格だから憎めないキャラを作り出すんだろう。


【はいはい、次は焼肉な焼肉】


さてとっ!今日は今日でさとみさんにお返しをするために、遅めのランチデートだからそろそろ用意して行かなきゃ。


お返しに用意した、ストールをもって出かける


◇◆◇


待ち合わせ場所につくと、もうそこにはさとみさんの姿がみえた。


声をかけようとしたときに後ろこらこえをかけられる。


「ざっき〜こんなところで偶然ですね〜」

後ろを振り返るとみずきの姿がみえる。


「おぉ、偶然だな。にしてもいつみてもかわいいね。」

「ざっき〜いつもありがとう」


と、会話していると待ち合わせ場所の方からおれを見つけたのかさとみさんが駆け寄ってくる。


「岡崎さ〜ん、こんにちは〜」


みずきとさとみさんとで目があい、


「「あっ」」


「さとみ先輩お疲れ様です。」

「みずきちゃんこんにちは、あれっ?二人とも知り合い?」


「さとみさん、それ俺のセリフです。まぁ、一応、みずきとは友達ですか!?」


「あぁ、夜のバイトのときに知り合って!!!」


「あぁ、そうなのね。岡崎さん、みずきちゃんとは同じ会社の後輩なの。」


そうなんだ。へぇ、そうなんだー。


「じゃあ、みずきちゃん私たちこれからデートだから!またね!」


いや、そんなあからさまに言わなくても。


「あっ、はーい、ではお二人ともまた!」


みずきは笑顔で挨拶するとさっと、いなくなる。


「あぁ〜、後で謝らないとなぁ、岡崎さんがあまりにもニヤニヤと話してたもんだから嫉妬して強めに言ってしまいました。」


「大丈夫だと思いますよ。俺はそんなに強く言ってた感じはしなかったから。さっ、俺たちも出発しましょう!!お店の時間に間に合わなくなる。」


そして、お店についてからバレンタインのお返しであるストールをわたす。このストールは膝掛けにも肩掛けにもできる、今の季節ぴったりなはずだ!!



「わぁーありがとう、岡崎さんほんと嬉しい」


先月みたいな事があったから少し会いづらかったが、うまく吹っ切れてくれてるみたい。でよかった。


たぶん、これで先輩から託されたミッションはコンプリートって感じだな。またさとみさんが前向きに恋を考えられるようになったとおもう。


そんなことをおもいながらデートは特にこれといったハプニングもなくおわった。



はぁーそれにしても、みずきとさとみさんが知り合いだったとは


世の中って狭いみたいだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る