第14話 Side:さとみ きになるひと
今日は、えりこ姉に強引に誘われて飲み会にきている。正直、まったく気が進まない。前山さんの後輩の人とあってみたらというので、いきなり1対1はぜったいにないので、150歩譲歩してえりこ姉ときている。まあ、前山さんもきているというから、変な人は来ないだろう。
「おつかれさまです。今日はよろしくお願いします。」
(前山さんの後ろにいる人が、会わせたい人なのでろう。なんていうか、普通だイケメンでもなく、ブサイクでもなく、怖そうでもなく優しそうでもない。何とも不思議な人だ。よくわからない。そして、めんどくさい。)
そして、飲み物が運ばれてきて、お酒を飲む気にすらならなかったのでウーロン茶だ。
乾杯のあと、お決まりの自己紹介。
(自己紹介なんて、もう何年もしてないから何言えばわかんないや、いや、趣味とかきかれても言いづらい。あ~~~めんどくさいからホントのこと言っとけ)
「はい。小説読むのとかアニメみるのと野球見るのがすきです。」
意外と好印象。
どころか、私の好きなラノベとかアニメが相手も好きで、話が弾む久しぶりに話すことが楽しい。趣味の話ができる相手なんていないもんなあ。
自慢ではないが、小さい頃から容姿には恵まれていたと思っている。そのため、スクールカーストでは上位のグループにいたことから、オタクっぽい友達なんて皆無だった。
そのため、周りにいる男の子に趣味を知られるとドン引きされるため、ひたすらに隠していた。
一人で暴走機関車のごとく、しゃべっていた。はっと我に返り岡崎さんの顔をよく確認する。ニコニコと笑顔で話しを聞いてくれている。しかもディープな仕込みにも気づいて返事をくれる。しかも、童貞特有の力みも全く感じない。
気づいたら、自分ばかりしゃべらせられている。久しぶりにこの人のことをもっと知りたいともった。
ただもう時間切れか。。。
と、そうおもっていた時にやってきた店員さんが岡崎さんに飲み物を盛大にぶっかけてしまった。
「申し訳ありません。お怪我ありませんか、ほんと申し訳ありません」
「いやいや、俺は大丈夫です。ミスは誰にでもありますから。それより店員さんケガがなくてよかった。それで布巾かなにかいただけますか?」
すごく、大人な対応だな。と正直おもった、比較するのも悪いが今まで付き合ってきた男どもなら、罵詈雑言をまき散らせて雰囲気を台無ししていたろう。
感じた優しさは表面だけじゃないのかもと思えてきた。
その後、岡崎さんのところにお店の責任者らしき人が謝りに来ていたが、岡崎さんは断ったらしい。
後で断った理由をきいたらこんなこと言っていた。
「お会計の減額を申し出てくれたんだけど、そんなことされたら先ほどのバイトの子が気にしちゃうかなって、あと今後のミスもお会計から減額すればいいとおもって反省が深くならないのも大人として嫌だなっておもいまして。そして、なによりせっかく面白いネタができたのに次回から来づらいのは、いやですから。せっかくなんで楽しい思い出で終わりたいじゃないですか。」
もう一度会いたいと本気で思ってしまった。これが、恋なのか人としての尊敬と友情なのかはまだわからないが。自分の中ではすごく不思議で楽しくて紳士的なひと。
と登録された。
連絡先聞かないとと思っていたら、岡崎さんお方から
「是非次回また、お食事にお誘いしてもいいですか?」
と聞いてきてくれた。
家に帰ると早速メッセージを送る
【今日はありがとうございました。とてもたのしかったです。ぜひまた、ごはん行きましょう。】
ああ~また早くあいたいなぁ~。あれ、わたし、結構あの人のこと気になってる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます