5 仮名坂悠理
その日から、暇さえあれば椅子に座ることにした。
先生に言って、登校管理委員会というのを作ってもらった。わたしひとりだけの、委員。
もともと頭がいい方なので、授業に出なくてもそんなに問題はなかった。そもそも、先生よりも学力がある。ちょっと前には、課題に関するカリキュラムの確認を求められたりもした。無難な範囲を選定して、全教科の担当に配った。好評だったらしい。
椅子に座って、ひたすらに待つ。
でも、来ない。
「会えないな」
待っている自分がいる。
名前ぐらい、聞いておけばよかった。
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