4 椚角柄

次の日。


登校して、なんとなく、椅子を見た。誰もいない。


女子生徒。なぜかお弁当をふたつ持っていた。


「不思議な人だったな」


名前も知らない。どこの学年かも分からない。もしかしたら、廊下ですれ違うかもしれない。


それを期待している、自分がいた。

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