第14話 ダンジョン攻略5
魔闘術で身体能力をあげ距離を詰めながら、刀身に魔力を纏わせ挨拶代わりで魔力の斬撃<魔刃>をとばす。
それに合わせてニンフィアも速度の速い風属性魔術の初級魔術<風刃>を詠唱する。
「グハハ、遅い」
そう言いながら悪魔は魔力の斬撃と魔術による風の刃を避け俺に向かって槍の刺突を行ってきた。
それを受け流して懐にはいろうとするがが、予想以上にパワーがあり少しバランスを崩しその隙に寸勁のような技で吹き飛ばされた。
「ぐは。重すぎだろ」
血を吐き話しながら追撃を避けきり距離をとる。
「まるで六合大槍だな」
「なんだそれは?しかしお前が吸血鬼だったとはな。ブラッドマジックを知らないのか?」
ブラッドマジック?直訳すると血魔法か。初めて聞くな。ニンフィアも知らないのか?いや、集中しろ。
それから数十分戦い続けているが、血の凝固や靴に悪魔の目では見えない仙気を纏わせ回し蹴りなど色々不意打ちなども試すも、全て避けたり受け流したりした後に石突や、鉄山靠みたいな技ででカウンターを食らった。
まぐれだったが、ルシファー流刀術の技、抜刀術の<二の太刀:朧血月>と、ニンフィアの魔術のサポートが上手く決まり、左腕を切り落とすことができた。が、1度見た技や戦略は対応された。
なんで名前だけそんなに弱そうなんだよ!正直このままでは体も刀も再生するのにも魔力が必要だしジリ貧なんだが?
「...ロート。魔力節約のため魔眼使ってなかったけど。あの悪魔、魔力の流れおかしい。魔術使っているのに魔力減ってない。王座にある椅子から無限に流れてる。」
ニンフィアもは魔杖の光魔術のレーザービームで牽制し回復をかけながら教えてくれた。
「なるほど」
ああ、やっと王道だ。そして助かった。あの椅子がコアでそれを壊すことで殺すことが出来る。そうだろ?そうじゃなかったら俺たちが死ぬそうであってください。。
「なんでお前が悪魔の目を持っていやがる?!」
動揺して僅かにすきができた瞬間に<縮地>を行い加速する。それを見た悪魔は槍に闇属性魔術を付与し投げてくる。
あれは何回も食らってるからわかるがやばい。破壊力とかではない、その凡庸性と、闇という毒のような魔力の性質がだ。
それは魔力で負けている俺達には打ち消してもジリ貧なのだ。
闇は光、神聖属性以外には強いからニンフィアでもきついだろう。
ここに入る前に気づいたが、バンパイアという種族としての問題か、ニンフィアが杖から光属性使う時の魔力消費量は他の属性の約二倍なのだ。
流石のニンフィアにも、止められないだろう。
片手でも正確に投げられた槍にニンフィアが虚無魔術を使い付与を霧散させる。そして魔法障壁で僅かに槍そらすことに成功する。
ああ。いい判断だよ。流石だ。
「ロート!」
ニンフィアが叫ぶ。槍から守れる魔法の障壁が無いと判断して、付与の解除と急所に当たりそうな槍を逸らすことにに専念し冷静に判断をしたが、傷ついて欲しくなくて叫んでしまったのだろう。
「今度は左手が犠牲だな」
「やめろ!!」
俺はそう独り言を呟きながら、右手で椅子に向かって<発勁>を行う。それと同時に左腕を穿たれたが。
椅子の中にある、膨大に魔力が篭ったガラスのような球体に仙気の波が伝わり破壊した時、悪魔は、死ぬと悟ったのか一瞬悲しそうにしたかが、満足そうな表情で口を開く。
「俺様が負けるとは。ああでも楽しかった。ハハハハハハ」
「じゃあな。名の知らぬ悪魔。俺も楽しかった。」
そう言いって俺も笑いながら名前も聞いていない悪魔に語ると、笑って散っていった。
そして、報酬の虹色の小さい宝箱と泣きながらこっちに向かってくるニンフィアを見たところで俺は気絶した。
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