第13話 ダンジョン攻略4
ここがダンジョンの最奥だと予想してしっかり準備してきた。睡眠以外な!
吸血鬼になったら三大欲求が湧いてくる。これは進化と捉えても良いのだろうか?食欲は血だけでもいいのだが、元人間として何か食べたいと思うのは自然だろう。
「行くぞ」
「大丈夫」
いつもと同じように確認をし、重い扉を開ける。
その部屋の内装は一言で表すと王座の間だ。
奥の一際豪華な椅子に座っている三十歳ぐらいのマッチョな鬼?のような男が話しかけてきた。
「待っていたぞ」
「待っていた?」
「そうだ」
その男は立ち上がり、立てかけてあった重そうな槍を手に取りこちらに向かって歩きながら話し出した。
「お「鬼ではない」まだ言ってねーよ」
「俺様はお前たち風に言えばB級悪魔と呼ばれている存在だ」
えぇー、魔王のような感じ出しといてそれ?全然凄そうじゃないんだが、俺の認識違いなのか?ニンフィアに顔を向ける。
「B級の悪魔強くない...でも人間からすれば強い。」
「俺たちを人間だと思っているということか?」
「多分...それかただのバカ?」
案外ニンフィア毒舌というか素直すぎるというか。そんなことよりもだ俺達のこと知っていたのか?
「俺様のアイテムはしっかり受け取ってくれたようだな。」
「どういうことだ?」
「俺様は1万年前の大戦の時、ここの星アトリアに悪魔王様の命令で魔界からとんできた。丁度この山で勃発した大戦は神仏界の天使、仙人、それを信仰する力を持つ人族や、魔界の悪魔や魔族たち他の異星人、この世界の魔族や亜神などまだまだ他の勢力もいたかもしれないがとてつもなくデカい大戦だった。」
吸血王もこの時に封印されたのか?年代的には一致しているが。あれ?今更だけどニンフィアどうやって娘にしたんだ?歳があわないんだが?
その俺の考えに気づいたのかニンフィアが答えた
「私、父が死ぬまで石化してた。...動いてたのは500年。だから500歳」
「なるほどな」
それ詭弁じゃね?と思わなくもないが、やぶ蛇になりそうなので話を戻そう。
「話を聞け!」
話を戻す前に悪魔が叫んできた。
「いや、話長い」
おっと本音が出てしまった、アイテムのことが気になりすぎて。
「ん、長い」
ニンフィアも同じように思っていたようだ。俺はニンフィアと「だよな?」など目で会話しながら悪魔を話し始めるのを待つ。
「イチャイチャしてんじゃねー!」
「してないよな?」
「ん。」
「その2人だけの空気作るのやめろって言ってんだよ!」
めっちゃ叫ぶし煩いなこいつ。てかアイテムのこと気になる。
「もういい。着流しと杖は、その大戦で奪ったものだ。それを俺のスキルでダンジョンに干渉し、宝箱に入れた。普通このレベルのダンジョンではレジェンド級のアイテムこんなに出ない。一個出れば当たりだ。」
「ダンジョンを操作できるのか?」
「俺様には干渉するしかできない。世界のどこかには操作どころか作れるヤツもいるかもしれんが。」
まあ、興味あるけど放置だな。寿命は無いし、探してみるのも面白いかもしれないけど。
「なんでアイテムをくれたんだ?」
「俺様が暇だったからだ。」
「は?」
「ダンジョンマスターになると外に出られなくなる。それだけなら良かったのだが、俺がダンジョンマスターになってから今日までここに来るどころかダンジョンに入ったやつがお前たち以外にいなかったからだ。だから死んで欲しくなかったしここで殺し合いするためにサポートした。」
運悪すぎだろ。同情するわ。そして、何も無いという辛さは分からないでもない。
「...ずっと何してたの?」
「ニンフィア、ニートに何してたの?って聞くのはダメだよ」
「前言っていた自宅警備員?」
「やめなさい。なんでそんなこと覚えてるんだよ。」
「てめぇら。意味はわからんがバカにされてるってことはよくーわかった。もう殺す。」
「俺もおまえに言いたいことがあるんだよ!」
「あぁ?」
「俺の服装見てなんとも思わないのか?」
「目を逸らすな。ニンフィアにもこの話したら流されたがな着流しに革靴はクソダサいんだよ。」
そう、今まで触れていなかったが俺の今の服装は着流しに吸血王が履いていたボロボロの革靴なんだよ。ミスマッチすぎる!
「着流しと草履セットで宝箱入れとけやバカヤロー!」
そう言いながら俺は魔闘術を纏い名前すら聞いてない悪魔に駆け出した。
さあ、戦闘開始だ。
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