第1ー2話 歌劇場『オペラ座』
・前回のあらすじ
王鳴歌劇団で起きていた不可解な事件。その事件に双乗、棚波、小杉はそれぞれ異なる切っ掛けで関わることになった。来栖から依頼を受けた双乗、安藤の通報から調査をすることになった棚波、安藤から電気系の点検を依頼された小杉。
探索者たちは王鳴歌劇団の拠点「オペラ座」に向かうことにし、PLは休憩することにするのだった。
まっこり「そろそろやろうか」
棚波「そうだな。おやつも食ったし」
小杉「これからそれぞれ劇場に向かうんだよな」
もっこり「そうそう、だからちょっと場面転換がめんどくさくなるかもね」
菜砂「そっか、到着するタイミングも考えなきゃいけないもんね」
まっこり「まあそれをどうにかするのがKPの仕事なんだけどね。じゃあ始めようか。初めに着くのは...双乗と来栖にしようか」
双乗と来栖は何事もなく、無事歌劇場「オペラ座」に到着した。鎌倉市のいかにも日本らしい住宅街の中では異質な雰囲気を放っている。
大きなアーチ状の入り口をくぐり抜けると、華麗な内装のエントランスが双乗を迎えた。温色光のシャンデリア、大理石の床、分厚い扉の向こうから聞こえてくる力ずよく美しい音楽。そこに訪れた者の品格を問うような雰囲気に双乗は思わず息を呑んだ。
双乗「立派な建物ですね...」
来栖「そうですね、そういっていただけると嬉しいです。この歌劇場も王鳴歌劇団の魅力の1つなんですよ。鎌倉にあるとより一層目立ちますからね」
双乗「思っていた以上に豪華絢爛って感じでびっくりしちゃいました!」
来栖「そうですね...私もこの劇場が好きなので、そういっていただけると嬉しいです」
双乗と来栖がそんなやり取りをしていたころ、棚波一行も劇場に着いた。
棚波「着いたな。いやー、デカい!」
警官B「うわぁ、めちゃくちゃデカいっすね」
警官A「こんなとこ俺らだけで大丈夫なんでしょうか?」
棚波「まあ元々いる警備員もいるし、通常業務だけなら大丈夫だろ」
警官C「って棚波さんがいうとなぁ」
警官A「不安になるよな」
棚波「流石にひどくないか。そこまで不運じゃないぞ?」
警官A「俺ら今まで暴漢に襲われたことなんてないですよ」
棚波「...確かに。そうかもな」
歌劇場に着いた棚波は、正門にいる警備員に警備員室に案内された。
警備員「お話は聞いております。どうぞ中へ」
まっこり「って感じ。小杉はどうする?」
小杉「車で向かいたいんだけど...」
まっこり「まあ駐車場くらいはあるだろうし、いいんじゃない?外出するってことで所持品チェックもしようか」
小杉「うーんまあこのくらいかなぁ」
・筆記用具
・メモ帳
・スマホ
まっこり「車も所持品に入れといてね」
小杉「わかった。少ないけど大丈夫か?」
棚波「まあ別に持ってなきゃまずいものがないならいいんじゃないか?」
小杉「わかった。じゃあこんなもんで」
まっこり「じゃあなんかロールプレイしたいとかなければ双乗のシーンに戻るけど」
小杉「ああ、特にないな」
まっこり「じゃあ戻ろう」
エントランスに到着した来栖に声がかかる。
大石「来栖ちゃん。遅かったね」
来栖「こんにちは、大石さん。例の方をお連れしました」
来栖は、その声に気さくに応える。大石はそれに大きく頷きながら近づいてくる
菜砂「大石さんって確か大道具係の人だよね」
小杉「そうだな」
大石「初めまして、私は大石と申します」
双乗「初めまして。翔来探偵事務所の双乗です」
大石「来栖から話は伺っております。突然のことで大変申し訳ございませんが...どうか、彼女の力になってやってください」
大石は双乗に頭を下げた。
双乗「いえ、こちらこそよろしくお願いします」
大石「はい、よろしくお願いします」
来栖「大石さん。早速ですけど、双乗さんにオペラ座を案内していただけますか?私、これからすぐにお稽古があるから...」
来栖は申し訳なさそうに大石と双乗の顔を見回す。
大石「はいよ、お安い御用だ」
大石は笑顔でそれを承諾した。
来栖「それでは双乗さん、またあとで。できれば私が案内したかったんですけど...」
双乗「いえいえ!稽古頑張ってきてください!」
来栖「はい!ありがとうございます」
来栖はそういうと劇場の奥に向かっていった。
大石「さて、双乗さん。オペラ座を案内する前に少し用事があるのでついてきてもらえないでしょうか?」
双乗「あ、はい」
大石はエントランスから劇場の外に出て、警備員室に入っていった。
まっこり「ここには棚波たちがいるね」
棚波「ついに合流だ!」
大石「失礼します。今日からしばらく新しい警備員さんが入るということで伺ったのですが...」
棚波「大石さんも俺たちが警察って知らないんだな」
まっこり「ほんとに秘密だからね。知ってるのは安藤と警備員くらいじゃないかな」
警備員「ああ、来てますよ。棚波さーん!ちょっと来てください!」
警備員は棚波たちを呼ぶ。
棚波「はい、何でしょうか」
大石「大道具係の大石です。今日から警備していただくということで、ご挨拶に来ました。棚波さん、ですか?」
棚波「はい、棚波です。短い間ですが、よろしくお願いします」
棚波「ここで双乗を話題に出してみるか」
棚波「ところで、そちらの方は?」
大石「ああ、うちの団員の依頼できた双乗さんです」
双乗「初めまして、翔来探偵事務所の双乗です」
棚波「こちらこそよろしくお願いします。似たような立場になるんですかね?」
大石「ああ!確かにそうかもしれませんね!」
双乗「そうですね!お互い仕事も似てますし」
大石「...おっと、そろそろ行きましょうか、双乗さん」
双乗「わかりました」
菜砂「このままじゃまたわかれちゃうよ」
棚波「ついて行ってみるか...」
棚波「どこかに行くんですか?」
大石「これから双乗さんにオペラ座を案内するんですよ」
棚波「へえ...それ、私もついて行ってもかまいませんか?」
大石「なぜです?」
棚波「劇場について知っておくのも仕事をするうえで重要ですし、どんな内装になっているのか興味もあるんです」
大石「ふむ...ええ、かまいませんよ。一人くらいなら増えても大丈夫だと思います」
小杉「いいのか?そんなにあっさりOKして」
まっこり「まあ断る理由もないし、サービスってことで。そのくらい優しい人なんだよ」
棚波「ありがとうございます!」
大石「それじゃあ行きましょうか」
棚波&双乗「はい!」
こうして棚波、双乗、大石はオペラ座の中に戻っていった。
警官B「あれ?棚波さんは?」
警備員「劇団の方と一緒に劇場を回るらしいですよ」
警官B「ええ?!なんで声かけてくれなかったんだよ!」
警官A「俺らも行きたかったなあ...」
警備員「まあまあ、ここもなかなか快適ですよ。まだ開場まで時間がありますし、トランプでもして待ってましょうよ」
警官C「え、いいんですか?」
警官B「いいっすね!やりましょう!」
警備員「じゃあ、やるのは大富豪で...」
まっこり「て感じで双乗と棚波のシーンはこんなもん」
棚波「おい警官何やってんだ」
菜砂「それ言うなら棚波も大概だけどね」
小杉「俺はどうすればいいんだ?合流したいぞ」
まっこり「小杉はメールで安藤に、オフィスに来るように言われているよ」
小杉「え、じゃあまだ合流できないのか?」
まっこり「ごめんね。まあこれから探索パートだしすぐ会えるよ」
小杉「しょうがないな、じゃあそこに行くか」
まっこり「小杉はこんなもん」
菜砂「超あっさりだね!」
小杉「本当だよ!もはやロールプレイすらしてないじゃないか!」
棚波「こってりよりはいいだろ。しょっぱなから戦闘させられるとか」
小杉「お前が言うと説得力があるな...」
まっこり「とにかく、これで一通り導入パートは終わったから、次は探索パートだね」
to be continued...
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