第25話 冒険者。
冒険者って職業は無いんだって。
よろずギルドはいろんなお仕事の仲介や成果の買取とかしてくれるけど、それを仕事にしている人に特に身分を与えてくれるわけでもない。
モンスターと戦うなんて危険なお仕事、普通の人はやりたがらない。
だって、死んじゃったらおしまいなんだよ?
生き返ることなんか普通できないんだから。当然だよね。
じゃぁなんで?
って、そう思うよね?
ダントさんたち曰く、食い詰め者が仕方がなくやる仕事、なのだそう。
異世界から迷い込んだ彼らにとって、当面の食い扶持を得るには致し方なく、だったそう。
あとはゲームで似たような事をしていたわけだから最初はそんなに違和感が無かったんだって。
でも。
食糧を狩るためだったらそれ専用の猟師職組合があって、ちゃんと装備も人数も揃えて集団で狩るらしいし。
脅威の排除の為だったらちゃんとお国の騎士団が定期的に討伐に出たりするらしい。
だから。
冒険者っていうのはその隙間産業?
危険と隣り合わせだけど人数が少なければその買い取り価格の高価さに一度で一ヶ月、いや、半年分の生活費だって稼ぐ事が出来る。
もちろん、それは危険と、っていうか本当に、死と隣り合わせのギャンブルだ。
街には市民権の無い余所者が働ける場所なんて何処にもなかったのだから。そんなギャンブルな生活を強いられていた訳。
回復魔法の使えるボクはそんなダントさんたちにとっては喉から手が出るほど欲しい人材だったみたいで、かなり慰留されたけど。
でも、ボクは勇者タクマの後を追うと言ってアンダーノウスを後にした。
だって、彼らは魔・ギアの事を全く知らなかったのだから。
ボクの能力をこれ以上知られるわけにもいかなかった。
流石にさ、特別扱いされてすがりつかれるような状況は嫌。
依存されちゃったら人間関係もおかしくなっちゃいそうで、嫌なんだよね。
一ヶ月くらいはダントさんたちと一緒に行動して、そのあと別れた。
旅に出るためのいろいろ必要そうなものも揃えて。その時にメーティスも見つけたんだけど。
で、今は一人旅。
って、ううん。
シルヴァもフニウもいるからね。
寂しくないよ?
そんなこんなで今夜はビッグバファロウのステーキだ。
楽しみ!
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