第8話 セリーヌ・マギレイス。

 で、ゲームじゃないのなら、これはどういうことなの?


「ねえフニウ。ゲームじゃないっていうのならさ、今のこれはどういう事なの? ボクはどうなっちゃったの? どうしてここにいるの? 教えてよ」


 流石にちゃんと答えてもらわなきゃね。信用できなくなっちゃう。


「だから君はセリーヌ・マギレイスなんだってば。この国のおひめさまだよ?」


「ごまかさないでよ。ボクここにきたばっかりでしょう? だからフニウがナビゲーターになってくれたんじゃなかったの?」


「別にごまかしてなんかないんだけどな。だいたいさ、僕をあの場所、狭間の世界によんだのは君だよ? 正確には君になる前の君、だけどね?」


「もう、わけわかんない! どういうこと?」


 なんでこの子はこう周りくどい言い方ばっかりするんだろう? いっくらかわいい顔しててもいい加減ボクだって怒るんだからね!


「うーん。信じてもらえないなら何言っても無駄だよね」


 え?


「セリーヌはずっと疑ってばっかり。僕のいうこと素直に信じてくれればいいのに」


 ちょっと。


「もういいよ。僕は君に頼まれたから力を貸してただけなんだもん。それなのに。そんなに怒るならもう知らないんだから」


 と。


 フッ


 と姿が消えたフニウ。


「え? 待ってよフニウ!


 ごめん! あやまるからさー。


 出てきてー。お願いー」





 はぁはぁ。


 大声で叫んで。




「あぁ〜あ。フニウ怒らせてやんの」


「うー、うっさいシルヴァ!」


「あ、いいのか? 俺まで居なくなったらお前どうやって生きていくのさここで」


 う、く。


 それはもちろん困る、けど……。


 でも、気に入らないんだもんこのシルヴァの言い方!


「ま、あんたが居なくなってももちろん困る、けど、さ……。って、それよりもフニウだよ。あんたフニウの代わりができるの?」


「無理」


「即答しないでよ!! ああ、もう。じゃぁ一緒に呼んでよフニウのこと!」


「まあしゃーないな」


 じゃぁせいの!


「ふにうー! 戻ってきてー!」


「おーいフニウー!」




「しょうがないなぁ」


 ふわっと目の前に現れたフニウ。


 あーん、良かった。ほんと何もわからず露頭に迷うかと思ったよ。


「ごめんってば。フニウ。ちゃんと聞くからね? もう少しだけわかるように説明して、ね?」

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