第2話 葵初めての来宅

あれから一年が経った。相変わらず俺と柚月は口を聞いていない。


「あれからもう一年か〜」


俺は言った

俺は葵と学校へ登校している途中だ。

葵は


「やっぱ私のせいなのかな・・・」


と悲しそうに言った

俺は焦りながら


「そ、そんなわけないだろ!!」


と大きな声で言った


「もう、そんな大きな声出さないでよ〜」


葵は笑いながら言った

でもどこか悲しげな感情が伝わってきた


あれは初めて俺が葵を家に招いた時のことだった

一応柚月には葵を連れてくると伝えたのだがまたヘッドホンをして聞いていなかったのだろう。

その日は葵を招待して夕食を一緒に食べる予定だった

俺と葵はリビングのテーブルに座ってご飯ができるのを待っていた。

ご飯ができ、お母さんが


「柚月〜ご飯できたよ」


と言った。


二階からどんどんどんと柚月が降りてきた。

リビングのドアを開け柚月は立ち止まった

今日は柚月の大好物のハンバーグだった。嬉しそうにドアを開けた柚月は顔をしかめて立ち止まり言った。


「誰、この女。」


すると母が


「ああ、宙空の彼女の上村葵さんだって!

この間話してたじゃない!」


柚月は


「なんでいんのよ」


と言った

その態度は酷いものだった。

まるで性犯罪者を見るような目で

睨み付けていた。

俺は


「その言い方は・・・」


といいかけた時葵が止めてきた


「急にごめんね。宙空に誘われたから夕飯お邪魔させてもらっています。

宙空くんと同じ学校の上村葵って言います!

宙空くんの妹さんの柚月ちゃんだよね?よろしくね」


葵は笑顔で言って手を差し出した

柚月はその手を払い除けて


「なれなれしく呼ばないでもらえますか?」


と言い


「お母さんごめんだけど、今日ご飯いらない」

と言い残し


ヘッドホンをつけ直し

リビングから出て行こうとした

俺は


「お、おい!待てよ!!」


と言ったが振り向きもせず部屋へと戻ってしまった。

葵は泣きそうに泣きながら


「私何か悪いことしちゃったかな・・・」


と言った

俺も母さんも心当たりがないので謝ることしかできなかった

その日の夕飯の雰囲気は最悪だった


「悪いけど、私もう帰るね」


と葵が言った

俺は何も言うことができなかった

母さんが


「ごめんね、いつもあんな子じゃないんだけど最近様子がおかしくて・・・

宙空、おうちまで送ってあげなさい」


俺は言われた通りに葵を家まで送った

その間俺は葵になんて声かければいいかわからなくて

ひたすら謝ることしかできなかった。


「ごめん葵」


葵は


「私、宙空くんの家行かない方が良さそうだね。」


と言った

俺はなんて言えばいいかわからなくて


「ごめん」


と言うことしかできなかった。

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