第44話 My dear sister

土曜日の午前中


彼女は緊張した面持おももちで、我が家をおとずれた。


蘭堂らんどうさん、わざわざ来てくれてありがとう。」


「いえ、それは全然・・・それよりも3人で話って、どういう事ですか?」


蘭堂らんどうさん、俺はやっぱり美野里みのりに俺たちの事を認めて欲しいんだ。このままではいけないと思う。分かってもらえるかどうかは自信が無いけど、俺の正直な気持ちを妹に伝えるよ。」


「分かりました。私は何をすれば良いですか?」


「話を聞いていてもらえれば十分だ。」


俺は覚悟を決めて、妹の部屋をノックする。


美野里みのり、居るか?」


「何か用ですか?」


「お前と話がしたいと思って・・・実は蘭堂らんどうさんも一緒なんだ。入ってもいいか?」


「・・・・・・」


部屋の中からは、しばらく返事が無かった。


30秒ほど待ってから、ようやく妹は返答する。


「・・・どうぞ」


妹は俺と蘭藤友梨佳らんどうゆりかを部屋に入れてくれたが、決して目を合わせようとはしない。


「話って何ですか?」


美野里みのり、お前は蘭堂らんどうさんが一方的に俺に迫っていると思っているかもしれないけど、そうじゃないんだ。お前の言う通り、確かに最初は蘭堂らんどうさんから告白されて、俺は受け身だった。でも今は違う。蘭堂らんどうさんはいつの間にか俺にとって本当に大切な人になってしまったんだ。」


「・・・・・・」


美野里みのり、ゴメン。お前は気に入らないかもしれないけど、俺は蘭堂らんどうさんとの交際を続けたい。」


「兄さんが誰と付き合おうが兄さんの自由だと言ったじゃないですか!兄さんは蘭堂らんどうさんと勝手によろしくやればいいんです!私の事は放っておいて下さい!」


「嫌だ!放っておけない。」


「・・・どうして?」


「俺は蘭堂らんどうさんと同じくらい、お前の事を大切に思っているからだ。」


「勝手な事言わないで!」


「お前から見たら勝手な兄貴だと思う。だけど俺は大好きなお前に祝福して欲しいんだ。頼む、美野里みのり・・・分かってくれ!」

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