練習がてら

宮上 想史

気をつけろ

コロナに気をつけろ





  連日新型コロナウイルスは増え続ける一方だった。ニュースを見て、毎日そのことでもううんざりだ。

 ちまたでは新型コロナウイルスはただのカゼのウイルスで若い人間は免疫力が高いから、感染してもたいしたことはないと噂が流れていた。

 イワンもその噂を耳にした若者の一人である。

 イワンは大学生で、今年二十歳の若者であった。

 髪は金の短髪、背は180センチ、七十キロ、学校の成績は中の上くらいだ。

 学校が休みになって三ヶ月さすがに家にいるのも飽きた頃、友達のジュディから一本の電話がかかってきた。

「合い言葉を言え」

「ゴマ」

 電話越しで二人はひとしきり笑いあう。

「ふふ、イワン?久しぶり」

「うん、ジュディも元気そうだね、君に会えなくて寂しいよ」

「なに心にもないこといってんの」

「あは、ばれたか」

「ねえ、コロナを移し合うパーティーがあるんだけど金曜日の夜空いてる?」

「なにそれ?面白そうだね」

 といってイワンは感染してもどうってことないだろうと思いつつ、その危険な集まりに参加する約束をした。

 当日イワンは踊り狂った。

 踊り

 狂った

 そしてジュディとキスをした。

 そしてコロナに感染した。

 そして、重症化した。

 イワンは死んだ。

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