七十一話 「矛盾と人の気持ち」

人の気持ちって、矛盾してませんか?



「時間が足りない」と

いう言葉はよく聞くけれど

「時間を工夫して作ったよ」

とはあまり聞かないと

感じるのは私だけだろうか?



一般的に、人はネガティブな

話を聞くのことを嫌うのに

自分がうまくできた時、

他人に話すことをためらう。

それは、どこか矛盾してないだろうか?



確かによい話をすれば

『自慢』ととられるかもしれない。

でも、ネガティブな話が

ダメなら、よい話はしても

よさそうだと私は感じた。



人の感情は、複雑で

私が思うように

単純ではないのは

なんとなくわかる。

じゃあ、どの程度ならいいの?



「言いたいことの

3割なら他人に言っても

相手は嫌な気をしない」とか

基準があればどんなに

いいだろうかと私は思う。



しかし、それを明確にすると

「人とコミュニケーションが

楽しくなくなる」と

言う人も出てくる

可能性もある気がした。



人の気持ちとは

いくつもの要素が

絡みあっている。

それを解いて単純化しよう

すること自体が



おかしなことなのだろうか?

誰も、それは求めていないのだろうか?



そもそも『矛盾』という言葉は

二つの物事がくいちがっていて

辻褄が合わないという意味だ。

人の気持ちとは、二つの物事

だけで成り立っていない。



それなら、人の気持ちに

『矛盾』という言葉を

使うのは、間違っている。

問いかけがおかしいなら

その後、何を言っても説得力はないよね。



私はただ人の気持ちを知りたかったんだ。


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