冒険者パーティー

 3人の美少女は、名前を答えた。


「私は長女のアン・ナイル、ナイルと呼んで欲しい」

「私は次女のアン・クラエ、クラエと呼んで下さい」

「私は三女のアン・リーフェ、リーフェって呼んでね」


 俺も名前を言うべきだろうな、と思い答えた。


「私の名は、アーサー・リンス勇者を目指している者だ」

「1つ質問なのだが、君達は何が得意なのか」


 ナイルがまず答えた。


「剣が出来ます」


 続いてクラエが答える。


「槍が使えます」


 最後はリーフェ。


「魔法を3つ程」

「魔法とは何が使える?」


 俺は聞いた。


「低位魔法の、治癒魔法Ⅰ、身体強化Ⅰ、防御魔法Ⅰが使えます」

「成る程」

「君達の実力はわかった」

「私の剣技を見なくてもですか?」


 ナイルが聞いてきた。


「俺は人の強さを見る事ができる、装備や技の強さも含めて」

「低位魔法、透視の能力Ⅰ程度で見透かす事が出来たぞ」


 ちなみに、魔法は無詠唱で発動させる事ができるが、かっこつけの為にいつもは詠唱している。


「もっと自分の力は隠した方が良い」

「まーそれはさて置きどんなクエストに行くのかだ」

「薬草取りクエストが1人銀貨3枚」

「これはどうだろうか?」


 クラエが答えた。

 俺も皆もそれが良いと、答えた。


 早速、薬草取りクエストに行く事になった。


 だが、リーフェが不安の言葉を発した。


「でもこのクエスト、道中でドラゴンが出る可能性があるよね」

「大丈夫ですよリーフェ、まずドラゴンが出る事も稀ですし、いざとなったらリンスが助けてくれます」


 と、クラエが答えた。


「まー任せな」


 俺は皆に言った。心の中では、ドラゴンが出て仲間がやられて、俺がドラゴンを倒したら、報酬独り占めできるし、願ったり叶ったりなんだがな。


 そして、薬草がある森の目の前まで、行くまでに4時間かかった。


「ここで一休みしませんか?」

「サンドイッチを作って来ました」


 と、ナイルがサンドイッチが入った籠を広げた。


「美味しい」


 一同そう言って、お昼休憩にした。


「美味しかったです」

「御馳走様でした」


 皆でワイワイご飯を食べたのはいつ振りだろうかと、俺は笑みを浮かべた。


 そこにドラゴンが現れた、長女のナイルと次女クラエが、剣と槍を構えてドラゴンに向けて突撃した。リーフェは身体強化Ⅰの魔法を使い援護していた。ちなみに俺はやられてくれれば幸いなので、援護してるフリをしてぼーと眺めていた。


 そして、ナイルの剣は曲がり、クラエの槍は折れた。


「助けてー」


 泣きながら俺らの方に走ってきたが、2人共ドラゴンに食われてしまった。


 三女のリーフェは震えながら俺の後ろに隠れた、だが俺はリーフェの体を持ち上げ、ドラゴンに投げつけた、リーフェはドラゴンに片足を食われて這いつくばって俺の足を掴んだ。


「痛い、痛い、助けて」


 泣き喚いていた。


 俺はリーフェの顔を優しく撫でて、紳士そうに微笑みリーフェが安心した顔を見て、可愛い泣きじゃくった顔を蹴りつけた。リーフェはどうしてと言うような顔をしていた。


「離れろゴミ」

「戦力外が」


 と言って俺は本気で顔を蹴りつけて、リーフェは片足から血を流しながら気絶した。


 そして、ドラゴンは俺の目の前に現れたので、俺は詠唱した。


「破壊神よ此処にいたり、我が元に来たり」


 そして破壊神レードが現れた。


 ちなみに、英雄や精霊、神、魔王、武器などの伝説的なものは、前に俺がいた世界と今俺がいる世界のものであれば、なんでも召喚できるように全ての者とコントラクター契約している。


 破壊神レードは破壊の力、「オーバフェンス Over fence」を使い、足だけを残して破壊した。


 そして、大量出血していたリーフェはドラゴンの戦いにより死亡したと言う事にして、見捨てて帰った。薬草はドラゴンの戦いの後一人で取りに行き、ドラゴンの足と薬草を無限空間の袋に入れて、持ち帰った。


 俺が冒険者ギルドに、帰って来る前に見捨てたリーフェ達が別の国の王族の三姉妹だった事も、リーフェが近くの村人に助けられて一命を取り留めて後で、王国戦争になる事もこの時の俺は知る由もなかった。













  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

世界最強の殺人鬼が異世界転生してしまった。 @matudasakuya

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ