殺人鬼の一目惚れ

「このボロ一軒家ともそろそろお別れだな」

「金品は一応少しだけあったのも全部頂戴できたしね」


 豹人族から奪った家で1日寝たので、殺した事がばれてもまずいからそろそろ退却と致しますか。金品を取った俺は豹人族の家を後にした。


 街では騒ぎになって、剣を持った警備兵達が大勢いた。昨日の俺が起こした貴族殺しの事件があってのせいなのだろうか?俺はそう思った。


 とりあえず周りの人に聞いてみるか。


「そこの人、この騒ぎは一体なんなのですか?」


 老人に聞いてみた。


「今日はこのセントラルフォース帝国が誕生した日じゃぞ」

「そしてパレードがあるのだ、もうすぐ国王セントラル・ビジット様と女王セントラル・フィール様、そして王女セントラル・ユフィー様が通られる」

「ここ一帯では、この間貴族のローランド様が何者かに殺害されたとの事で今年は警備が厳重らしですぞ」

「教えて頂き大変有難う御座いました、この国から遠くの離れた国の者でして、無知なもので」

「そうでしたか」


 まーローランドを殺したのは俺なんだけどねって思いながら苦笑いをしていた。

 一応補足として、全知全能の力を使って情報を得る事はできるだろうがなんせコミュ障だから、人と会話しておいた方がいいと思って使いませんでした。

 そうして居るところに馬車が来た。


 国王と女王と王女が国民に対して手を振っていた。周りいた国民は頭を下げていたが、俺は、王女の明るい笑顔と金色の長い髪と燃えるような赤い瞳に見惚れてしまった、一目惚れだ。

 見惚れて居ると、兵士に声をかけられた。


「頭が高いぞ」


 突然声をかけられて思わず言葉が出てしまった。


「王女様が余りにも美しくて、見惚れてしまっていました、すいません」


 その声が王女様に聞こえたのだろうか、俺の方を見て明るく手を振ってくれた。

 そして俺は頭を下げた。


 そして、王女様とどうしても一緒に居たいと思った俺は、婚約出来るようになる立場といえば、冒険者になり勇者になるしかないとそこで確信した。


 早速冒険者登録しに、ギルドに行ってみた。






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