君の愛を語ろう
ティラミス信者
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陶器の肌は美しい。
ひび割れたら、金で繋げばいいのだから。
そうしたら、もっと美しくなる。
絹の髪は美しい。
千切れても、糸を繋げばいいのだから。
見てごらん、また美しくなる。
硝子の瞳は美しい。
汚れても、別の石をはめればいいのだから。
ほらどうだ、美しいままだろう。
似合いの華やかなドレスを着せれば、また美しくなる。
その手を取って、月明かりの下で踊れば、おとぎ話のお姫様のようになれるだろう。
鏡のような湖に、咲き誇る小さな花々、くるりと回れば柔らかいフリルが楽しげに笑う。
巨木の枝から下がるブランコベンチに座らせて、落ち着くように、ゆっくりと揺らしてあげよう。
月の代わりに昇る太陽に目を細めながらまた手を取り、今度は森を散歩しよう。
光るキノコに喋るリス、歌う切り株や妖精のお茶会を見れば、きっと楽しくて笑ってしまうはずだ。
夕焼けに染まる木々はとても綺麗だから、それを見ながら木苺のパイでも食べよう。
藍色のカーテンに飾られたビーズをプレゼントすることはできないけれど、一面のプラネタリウムを見せてあげることはできる。
そうしたらまた、一緒に夜明けまで踊ろうか。
湖は見飽きただろうから、今度はお菓子の家の庭にしよう。
ビスケットの上でステップを踏み、チョコレートの池で釣りをして、飴細工の小鳥を齧るのはとても楽しいだろうね。
だって、考えるだけでこんなにも胸が踊るのだから。
今日のドレスは何にしよう?
髪飾りはどれを選ぼうか?
シューズも好きなものを履くといい。
アクセサリーも忘れずにね。
メイクも完璧に仕上げてあげる。
ああ、今日も変わらず美しいままだ。
君の愛を語ろう ティラミス信者 @tira_08
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