旅 -trip-

ふたつかみふみ

第二回魔女会作者人狼 投稿作品

初めの第一歩。

旅の始まりは心が高揚するものだ。頭で考えるよりも体の方が軽い。些かの後ろめたさ、後悔がないといえば嘘になる。しかし新たな門出に一歩踏み出す瞬間は心地のいいものだ。頭では止めようと考えても不思議なことに足が動くのだ。これから見るであろう景色を想像するだけで心が躍る。さあ今日はどんな景色が見られるのだろう。

次の一歩。

旅の途中には困難が待っている。飢え、渇き、暑さ、寒さなど危険が伴うものだ。現に私は飢え、渇き、凍えている。それでもこの旅をやめようとは思わない。に見る景色を想像するだけで心が躍るのだ。その希望が私を進ませる。この希望があるからこそ足取りが軽いのだ。旅がここまで心地のいいものだとは思ってもいなかった。いろいろ心配はあったが実際何とかなるものだ。

さらに一歩。

今日の旅は今までで一番ハラハラさせられた。倒れ来る木々、崩れ落ちる崖。旅は常に命の危険と隣り合わせだ。あの時崖が崩れる前に地面がえぐれて本当によかった。それでも私は旅をやめたくない。次が見たい、見たいのだ。嗚呼どうか邪魔をしないでおくれ。

さらに加える一歩。

ここは新鮮な景色だ。曲がったビルに、歪んだ床。八本足の生物がうごめく。ここは私の知らぬ場所、そしてこれから知る場所だ。アア、旅はいい。常に新たな世界へ導いてくれる。とても気分がいい。頭が旅の楽しさを求めはじめた。

さらに一歩。

今日は遠くまで旅をしよう。今までとは比べものにならないくらいの世界が待っているはずだ。黄色い空に、赤い雲。体が痒いのはキットココが砂漠だからだ、乾燥もするだろう。地面が歪んで足が取られる。砂漠とはかくも歩きづらいものとは思っていなかった。地面から生え出る砂の手を蹴りながら進む。こういう体験もまた心地いいものだ。ああ、ヤメラレナイ。足が疲れても頭が旅を求めるのダ。

次の一歩。

今日はどこへ行こうか。だいたいのばしょはもう旅をした。でもまだ新しいけしきが見たい。そういえばアレハまだためしていなかった。アレで旅をしよう。そうすればまた新たなけしきが見れるはずだ。そうときまれば旅のしたくだ。もはや体のツカレなどわたしのさまたげではない。

終わりの一歩。

ああ、旅、旅だ。もう旅はおしまいナノか?まダダ、たりない、たりない!こんなトコロであゆみをとめてなるモのか。アタマが、ノウが旅を求める。ドウグをさがしてテがさまよう。いつものようにジョウミャクをさがす。アア、キモチイイ。これでアラタナセカイをみることができる。モウ旅がないせいかつなんて考えられない。

わたしの旅はこれからもつづク。すスみつづける。おわリなんてくるもんか。わたしののうが旅をもとめつづけるかぎり、ひがクレても旅はつづく。

外エ1こんげんじゃな<な⊃〒も。

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