第4話

俺はどんな顔をしてた?





蒼がもう長くないことは、うすうす勘づいていたし、実は蒼の母親から2週間ほど前から聞いていた。

蒼の母親からそれを伝えられた時、数秒、何も考えられなくなった。

でも、その後、心臓が波打つのが妙に早くなった。

あれは蒼を失う恐怖とか、悲しさから来るるものとかそんなものじゃなかった。

それが何かはわからないが、もっと気持ちの悪いものだった。


さっきそうから聞いた時も正直、吐きそうだった。

けど、なんだろうあの高揚感は。

自分がどんな顔をしていたのかはわからないが、あいつに見せれる顔ではなかっただろう。

俺は足早に病院を出て家に帰り、自分の部屋に入って、部屋の鍵を閉めた。

1人になった途端、何故か笑いが込み上げてきた。

俺は気付いてしまった。



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