業《カルマ》〜キャラつくって転生しました〜

望月夜兎

第1話 大人気ゲーム

 僕の名前は小早川業こばやかわかるま。ごく普通の高校生。そんな僕は、今まで一度もゲームをやったことがない。いや、やる暇が無かった。

 僕は、小さい頃から本をよく読んでいたので、ゲームなんてやったことはなかった。

 ある日、僕の友達、山田圭太やまだけいたから、ゲームを薦められた。ゲームはやったことないしもちろん得意でもないだろうから一度断った。


 「いいからやってみなよ!上手とか下手とか関係ないゲームなんだよ!」


 圭太は、僕の親友である。友達が少ない訳ではないのだが、気を遣わずに話せる、数少ない友達の一人だ。


 「う〜〜ん…」


 そんなに薦めるのなら、少しくらいはやってもいいかな…


 そう思って、僕は、人生初のゲームをプレイする事を決意した!そんな大きな事じゃないけどね




 さてさて、家に帰ってきたので早速ゲームをプレイしてみよう。そのゲームはパソコンで出来るらしい。しかも、無料で。無料でできるゲームって面白いのか、と思いながらダウンロード、そして、起動。


 そのゲームの名前は【another world】。

その名の通り、異世界という意味だろう。

異世界というと、ライトノベルでよく描かれているような世界を思い浮かべる。本は毎日読む。その上、幅広いジャンルを読むので、ライトノベルも読んだことがある。むしろ、一時期はとても面白いと思ってよく読んでいた。うん。無双ハーレムは、憧れだよね…。


 そんなことを思っていると、ロードが終わっていた。



『ようこそ【another world】へ。

あなたは記念すべき100万人目のユーザーとなりました。特典があります。受け取りますか?』


 「っ!?」


 女の人の声が聞こえたと思ったら、100万人目のユーザーになったらしい。急に喋ったのでびっくりした。運がいいなあ。折角だし、特典は受け取っておくか。


『おめでとうございます。特典を受け取りました。』


 ……あれ?特典を受け取ったらしいけど、特に何も起きない。ゲームの中で何かあるのかな?


 まあ、気を取り直して、始めよう。


[ NEW GAME ]


 [Character making]


 [Skills]


 [World]


 [Options]


 大自然を背景に選択画面が並んでいる。

 なるほど、ゲームが初めての僕でも分かりやすいようにつくられているらしい。でもやはり、特典という欄はどこにもなさそう。


 まずは順番通りキャラメイクからやってみよう。


[Character making]


【名前】 カルマ-コバヤカワ


【性別】 男性


【種族】 ヒューマン


【年齢】 15 歳


【特徴①】〘身長〙 175cm

     〘体重〙 55kg

     〘顔〙 黒髪黒目 超絶イケメン


【特徴②】 細身の長身

      黒髪黒目

      中性的な顔立ち

      超絶イケメン


【職業】 ー


【称号】 ー



 キャラはひと通り完成した。にしても、『超絶イケメン』なんてあったら選ぶしかないじゃん!その他は自分の理想の姿に設定しちゃいました!


 よし!楽しくなってきた!次はスキルだ!


[Skills]


【魔力】 999


【速力】 999


【筋力】 999


【魔法】 火属性適性

     水属性適性

     土属性適性

     無属性適性

     治癒魔法適性


【異能】 創造



 こんな感じかな〜。って!!あれ!?こういう能力値って戦いを通して上がっていくものなんじゃないの?自分で好きなように決めちゃっていいのかな…?

 まあ、とりあえず、こんな感じかな〜。能力値の最大は999みたいだし、魔法は火、水、土の3属性と治癒魔法、無属性魔法の5種類しか無いらしい。ライトノベルでようある、風属性や、雷属性、聖属性、闇属性などはないみたい。聖属性の代わりに治癒魔法があるらしいけど。


 そして、この『創造』という異能。

 ゲームの説明ではなんでも創れるみたいだけど、それっていいのかなあ。創造神になっちゃってない?


 これで完了っ!っと


 あとは、世界を選ぶみたいだなあ。色んな世界があるみたいだ。だけど、憧れるのはやっぱり中世ヨーロッパ風の世界観だよね!


 決まりっ!


 残りは、設定だけど、操作設定みたいなのは無いらしい。そういうのはあるもんじゃないの?まあ、いっか!


 じゃあ!全て完了したので!出発!




 


 「国王殿下ぁぁーー!!!」


 一人の男の声が広い空間に響く。


 「魔王復活の予兆です!!伝承と同じ730年前の悪夢が再び訪れようとしています!」


 「なんだと……」


 国王殿下と呼ばれた男は頭を抱え込み絶望の表情を見せる。伝令の男も絶望と焦燥の表情を隠しきれない。それは周りにいる男達も同様であった。


 「ああぁ…、終わりだ…」

 「悪夢が訪れる…」

 「クソッ!!なんということだっ!」


 国王と思わしき男は一度は絶望の表情を見せたが、なんとか頭を回し、解決策を見つけ出そうとしている。




 そんな中に一人の男が気持ちの悪い笑みを浮かべていたことも気付かずに…




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