第199話

 潜在能力を引き出し、ほぼ完全な力を解放する「纏い」を使用した狂鬼。数多の武器を展開し、武器を投擲とうてきしつつ接近し、四方八方から攻撃を一人で可能にしている。

 移動速度と戦闘技術が高ければ、より速く、より多くの手数で攻撃が可能になる。その戦法を得意としている狂鬼だったが、数分後に狂鬼の表情は苦い表情となっていた。


 「チッ!……(クソがっ、オレの攻撃を簡単に防ぎやがって)」


 仮面の主である彼に投擲しながら攻撃。それを繰り返して理解出来たのは、生半可な攻撃では彼を倒す事が出来ないという事だけだった。誰でも対処出来る攻撃には限度があるのだが、無数の攻撃だと錯覚させる狂鬼の攻撃を彼は容易く捌く。

 

 「……」

 

 そして驚くべきは、対処し切れそうにない武器の対処だ。投擲された武器を手に取り、次に投擲された武器を手に取った武器を叩き落としているのだ。常に動きながら対処する彼の姿は、狂鬼の記憶でそんな事出来たのは一人しかいない。


 「っ、テメェは一体、何なんだ!!!」

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