短編集
@yatagarasu1031
第1話 アネモネ
産まれたと聞いたのは、翌日の朝だった。
拷問とも、天罰とも言える痛みから解放され、スイッチが切れたように眠ってしまったようだ。
私の横で寝息を立てている何かが、もぞもぞと動く。
涙が出てきた。何故だか分からなかった。困惑する。自分に狼狽する。ふつふつと、罪悪感と後悔と、孤独感が湧き上がってくるのを感じながら、私は嘔吐した。
棚に置いてあるアネモネが私を見て笑っていた。
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