第5話 事件に関する疑問
南埜さんの失踪事件に関する最大の疑問が電話の件である。
外国で拉致や監禁のようなハプニングに遭遇し、たまたま日本に電話できるチャンスがあった場合、普通は何を話すだろうか。
「~が起こった」「~にいる」「助けて」だろうか。
それが日本の自宅にかかってきた電話が、泣きじゃくりながら「苦しい」「悔しい」…気持ちが動揺していたと言われればそれまでであるものの、少し不自然ではなかろうか。
本当に南埜さん本人からだったのだろうか。
誰かの悪戯、もしくが電話の話自体がじつは嘘だったという可能性もなきにしもあらずである。
残酷なことを言ってしまうが、南埜さんが生存している確率というのは結構厳しい数値だと思う。失踪したのが1990年…もうかなりの年数が経過している。拉致が原因でまだ生きているという前提ならば、よほど警戒厳重の場所に閉じこめられているか、あるいは電話そのものが皆無のような辺境にいるかのどちらかであろう。
残念な最後…という推測の方が辻褄があうような気がする。
いずれにしても真実は謎のままであろう。本人以外の関係者が自分から名乗り出て真実を話すとも思えない。
ネパールという国は、いろいろと外国人の失踪事件が発生しており、南埜さんの事件は氷山の一角になる。ドイツ人女性が失踪して、後日に国立公園から死体で発見されたり、あるいはトレッキングしていたアメリカ人女性が失踪して、いまだに行方不明中だったり…。
どなたか御自分なりの推論を投稿してもらえないだろうか。
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