第5話 その身の上に何があったのかを推理
● 金品・陵辱目的による殺害説
最もオーソドックスな説。海外における事件・事故の原因は大半がこれ。二人の死体はどこかに埋められたか、あるいは洞窟の穴に放置されたか、はたまた郊外で野ざらしにしているところを獣が食したか…その線が濃いと思われる。
● 人身売買説
いまだに見つからないのは、売られた先がまったく異なるエリアの族長だったか、あるいは国外(パキスタン?)に売り飛ばされたかのどちらか。
別の考えとしては…
① 売られた先でトラブルがあり、すぐに殺害されて埋められてしまった。
② じつは情報通りにカラ・ハンに売られていたのだが、アフガニスタン軍の捜索のときには、いち早く別の場所へ身柄を移していた(捜索していた兵士はロシア人女性の存在に「勘違い」という認識だけを抱いて退去した。同じ場所に二人の白人女性が存在したとまでは思い至らなかった。)
● ソ連による誘拐説
かつて(いまでも?)北朝鮮がおこなっていた「日本人拉致」のように、ソ連が似たようなことを二人に実行したという説。当時のソ連はアフガニスタンの隣国、しかも二人が最後に目撃された場所はソ連国境に近いエリアであった。
もしこの説が正しいとすれば、おそらくその動機は「対スウェーデン工作」のための語学等教育要員の確保であったのかもしれない。意地悪な見方をすればグンメル・グメンソンの婚約者がソ連のシンパだったという可能性もありえる。
しかし、この説の弱いところは、ソ連としては何もわざわざアフガニスタンで拉致工作をしなくても、スウェーデン国内の共産主義者をスカウトすればいいわけであり、それにソ連邦が崩壊したいまとなっては、当時の秘密文書や関係者から拉致工作が表沙汰になっているはずだから(ソ連邦崩壊直後は、同国の情報機関等の秘密文書は西側ジャーナリストによって漁られていた…)、現在までに旧ソ連エリアから何ら情報がないということは、この説の可能性があまりないということなのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます