第3話 発見に至らず…

 道路作業員に扮した兵士たちはグメンソンを発見すべく、すべての集落と遊牧民キャンプを捜索した。


 やがてその捜索エリア内で欧州風の金髪女性を発見した。


 が、その女性はロシア人であり、彼女は兵士たちに対し、自分は合意の上でこの地にいるのであり、幸せな結婚生活を過ごしていると告げた。


 グメンソン事件は世間の注目をひき、メディアによって報道されただけではなく、現在の旅行ガイドブックにも記載されている。


 スウェーデンのタブロイド紙「アフトンブラーデット」は、グメンソンの跡を追跡するために犯罪担当レポーターをアフガニスタンに派遣した。


 この事件に関するアフトンブラーデットでの最後の報道は1967年になる。その記事の内容は、アフガニスタン北西部を旅していた二人の旅行者が「ありえるはずのない金髪の少年」を同地で目撃したというものであった。


 グンネル・グメンソンとピーター・ウィナントがいかなる運命をたどったのかは誰にもわからない。


 1977年2月8日、リンデスベルグ裁判所はグメンソンの死亡宣告を下した。

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