相手についた弁護士を訴えた!

第1話 相手方弁護士を訴えた!

平成22年(ハ)第      号 損害賠償等請求事件


               訴    状


                       平成22年 2月**日

岡山簡易裁判所 民事  係 御中


                原 告 〒略

                住 所 岡山市中央区北中町~

                氏 名 米 河  某

                被 告 〒略 

                住 所 大阪市何とか区~ 軍艦旗ビルm階

                氏 名 ゆるキャラマン

                    春 野 由 紀

                    中 田 雄 二


損害賠償請求事件

 訴訟物価代金 金 100,000円

 貼用印紙額  金    1,000円


             第一 請 求 の 趣 旨


1 被告らは連帯して、原告に対し、金10万円及びこれに対する平成21年1月15日から支払済まで年5%の利息を合算した金員を支払え。

2 訴訟費用は被告らの負担とする。

 との判決ならびに仮執行の宣言を求める。


         第二 請求の原因たる事実及び原告の主張


1 被告ゆるキャラマンは、T大学及び兇徒大学出身者にして、司法修習生(44期)を経て19**年に弁護士登録をし、現在は被告春野由紀及び同中田雄二の2名とともに、頭書住所にて「ゆるキャラマン法律事務所」という屋号のもと弁護士業を営む者である(以下「被告ゆるキャラマン他2名」。甲第1号証)。


1の2 原告米河某(以下「原告」)は頭書住所に居住する者であるが、御庁にてすでに継続中の平成21年(ハ)第****号損害賠償請求事件(以下「別件」)の原告である。


2 被告ゆるキャラマン他2名は、平成21年12月29日、別件の被告である訴外某(ZI市在住)と訴訟委任契約を締結し、別件の被告訴訟代理人に就任し、翌平成22年1月1*日付にて、別件の訴訟遂行につき被告の委任を受け答弁書等を御庁宛に提出した。


3 原告はすでに平成21年12月2*日付にて別件につき原告準備書面(1)を(同件に付)請求の趣旨拡張の申立(1)とともに御庁に提出しているが、少なくとも上記3 答弁書を見れば、請求の趣旨拡張が別件につきすでになされていることは被告ゆるキャラマン他2名をしてすでに了承していること明らかである。


3の2 にもかかわらず被告ゆるキャラマン他2名は、請求の趣旨拡張の申立(1)に加え御庁に提出した原告準備書面(1)にて既に原告が立証をなしている訴外某の名誉毀損表現等を故意に無視し、上記答弁書にて不毛な求釈明を原告に対しなした。


4 加えて被告ゆるキャラマン他2名は、同日付において御庁に対し管轄移送の申立をなし、別件被告である訴外某の居住するZI市を管轄するZI簡易裁判所に別件を移送すべき旨の申立を被告に代理して成している。しかし当該申立が御庁及び原告に送付・受領されたのは、別件第一回口頭弁論開催予定期日であった平成22年1月22日のわずか4日前である同年1月18日であった。


5 上記3の2 及び4、とりわけ後者による別件に対する一連の被告ゆるキャラマン他2名の行為は、とりわけ簡易迅速を旨とする簡易裁判所における訴訟追行に著しい支障をきたした。上記3の2 答弁書内における認否内容については格別、同4 管轄移送の申立については、被告ゆるキャラマン他2名は平成21年12月29日に別件被告たる訴外某より訴訟委任を受けているのであるから、少なくとも翌22年1月10日前後までには御庁に対し提出しえたはずである。

 よもや被告ゆるキャラマン他2名は御庁及び原告方に送付する切手代及び封筒代程度の小金を惜しむ積りはなかったとは思うものの、少なくとも管轄移送の申立の如く訴訟進行に著しい影響を与える申立は、訴外某より受任後直ちになすことは十分できたはずである。


6 いうまでもなく被告ゆるキャラマン他2名は弁護士であり、とりわけ被告ゆるキャラマンは弁護士経験を20年近くも有し、自己の法律事務所を経営する者である以上、少なくとも法的知識はもとより訴訟事務についても十二分に知悉していること明白であり、本件につき、法はもとより訴訟事務手続の不知を考慮すべき余地は微塵もない。むしろ被告ゆるキャラマン他2名は、管轄移送の申立により第一回口頭弁論期日が一般的に2ヶ月近く延期されることは職務上顕著な事実として経験則上知悉していないはずがなく、その点においても、上記4 の管轄移送の申立は、同人らの故意に別件の訴訟遅延を目的とした行為であると、原告としては思料せざるを得ない。

 

7 よって、上記3の2、4 ないし5 の一連の被告ゆるキャラマン他2名による行為は、別件の訴訟遅延を主目的とした時機に遅れた攻撃防御方法であり、御庁及び原告の求める別件の迅速な解決を妨げる悪質な不法行為(民法第709条)であると、原告としては思料せざるを得ない。

 現に別件につき唐突な訴訟遅延行為を被告ゆるキャラマン他2名によって主導されたことにより、原告は別件訴訟の迅速なる解決を妨害され、もって原告の業務日程の調整を余儀なくされ、さらには、平穏な私生活を取り戻す時期を不当に遅延されたことによる精神的苦痛が発生している。


8 よって原告は、被告ゆるキャラマン他2名に対し、一連の上記不法行為に対する損害及び精神的苦痛に対する慰謝料として、金10万円及び被告ゆるキャラマン他2名の上記不法行為が行われた平成22年1月15日より支払済までの民事法定利息たる年5%による遅延損害金を求め、本件訴えに至ったものである。



               第三 管轄について


1 原告は岡山市内に居住する自然人であり、被告ゆるキャラマン他2名はすべて大阪市内に事務所を構え弁護士業を営む自然人である。


2 本件については、被告ゆるキャラマン他2名より別件答弁書及び管轄移送の申立を原告が受領したのは、原告の居住する岡山市内であるが、同地が、民事訴訟法第5条第九項(以下「上記法令」)のいう「不法行為があった地」である。


3 なお、本件は不法行為に基づく損害賠償請求訴訟であるが、その損害発生地である岡山市内は、上記法令のいう「不法行為があった地」に含まれるものであり(東京地裁昭和40年5月27日判決参照)、御庁に対する本件訴えにつき管轄違いの不適法はない。


4 加えて、本件訴えは、原告が被告に対して不法行為に基づく損害賠償金の支払いを求めるものであるが、本件の「損害賠償金支払債務の履行場所については、民法484条の持参債務の原則が適用されるので、原告の居住地である岡山市が民事訴訟法5条1項の義務履行地」(岡山簡易裁判所平成20年(サ)第318号、同年12月17日決定)となるため、この点についても管轄違いの不適法はない。


5 さらに、本件においては訴外某に対する証人尋問はもとより、原告及び被告ゆるキャラマン他2名ともに当事者尋問をすべき必要性もほとんどなく、本件を被告らの居所たる大阪市を管轄する大阪簡易裁判所にて審理を行ったからといって、直ちに被告らの時間的・経済的負担が大幅に軽減されるものとも言えない。


6 加えて、本件は別件の継続している御庁にて係属させることが、本件当事者たる原告及び被告ら並びに御庁のいずれにおいても訴訟経済にかなうと思料する。


7 よって、原告は自己の居住する岡山市を民事訴訟法第5条第九項のいう「不法行為のあった地」であると思料し、なおかつ別件の係属する御庁に対し、本件訴えを提起する。



                第四  証 拠 等


甲第1号証 被告ゆるキャラマンの業務内容等(大阪弁護士会会員検索サイトより)

その他、御庁平成21年(ハ)第****号損害賠償請求事件書面参照

 御庁に記録があり、なおかつ原告被告ともに同事件書面を所持しているため、証拠としての添付は当面差し控えます。ただし、御庁もしくは被告側より証拠としての提出要請があれば、直ちに提出いたします。


                                  以上

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