白黒探偵

@Nighthalt

 不確かな存在

 某月某日、一人の少年は『それ』を目撃した。その日以来彼は『それ』を恐れ震えて過ごしている。


 小さなアパートのワンルームに住む探偵、「白黒探偵」は自分の気になる事件だけを扱う探偵だ。今回、彼が気に留めた事件はある一人の少年の事件だ。早速、彼はその少年のもとへと訪れた。

 少年は酷く怯えた状態であった。彼は壁際にある自分の姿が映る壁を見て固まっていた。突然くしゃみの音がすると彼は爆発してロフトへと飛んでいった。白黒探偵とその助手はロフトへと飛んでいった彼のもとへ走ってゆき話を聞いた。

 「ある日、オイラが休もうとしていたら暗闇に『それ』がいたんだ!オイラ、その時に怖くて漏らしちまってそのまま風呂に連れてかれちまって…それから2日くらい過ぎたときから壁際に知らない奴がいてずっと怖くてよぉ助けてくれよぉ探偵さん」

 そういうと彼は下へとおりて部屋へと隠れていった。

早速、白黒探偵は捜査を始めた。まず、少年の通った道から痕跡がないか念入りに調べた。が、特に気になる痕跡をみつけることはできなかった。下へおりると自分の姿が映る板の撤去作業が行われていた。作業員に少し待ってもらうよう伝えその板を調べてみた。確かに自分の姿が映り同じ動きをする。作業員にこれが何か聞いてみるとこれは身だしなみなどを整えるときに使うものらしい。

まったくもって理解のできないものであった。少年がこれを見て映る自分を見て驚き固まっていたのは自分でない別の存在だと思っていたからのようだ。探偵自身初めて見たときは驚いたものだ。

 少年に改めて話を聞くべく彼に降りてきてもらった。だが彼はまた突然爆発して部屋へと帰っていってしまった。丁度この場所は彼が失禁してしまった場所と同じ場所であった。

 そこに『それ』は確かに存在していた。そうそれは探偵の助手の大きな写真というものだった。作業員のお気に入りの写真というものらしい。

つまりこの事件の犯人は探偵の助手の大きな写真というものだったのだ。その後『それ』は別の場所に移されたようだが探偵は知らず優雅に眠るのであった。

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