僕はキセキを起こす

佐々蔵翔人

あらすじ

幼少期

「キーンコーン、カーンコン」いつものように授業終わりの鐘が鳴り響く。僕は愛知県に住む皆川誠人(みながわまこと)小学3年生。僕は生まれた時から体調を崩しやすく特に扁桃腺が腫れて熱を出すことは日常茶飯事でこれが原因で年に何回も病院に行き、何度入院をしたのか分からない。そして幼稚園に行っても体調を崩して家族に迎えに来てもらい、病院が空いていれば病院にに直行し空いていなければ自宅に帰り休養していた。

そして幼稚園に通うようになっても熱を出して休むこともあった。

家族は僕がこのまま体調が悪いままではいけないと考え、幼稚園で体操教室を習い事としてすることにより身体を強くしようと考えていた。

そんな僕だが幼稚園を卒園し、同じ街の中だが引越しをする。その引越しによって同い年の松中隆敏(まつなかたかとし)と出会う。

僕は隆敏と同じ美河谷小学校に通い、家も近所だったので互いの家に行く程仲良くなっていた。僕は隆敏に近所にあるスイミングスクールに行こうと誘われて通うようになった。僕は小学校に上がったが毎週水曜日に幼稚園の体育館で体操教室、金曜日にスイミングスクールのバスで1時間泳いでいた。

隆敏はスイミングスクールで月に1度ある昇級試験にどんどん上がっていき僕は隆敏を横目にみながら劣等感を覚えていた。

僕はなんてダメなんだ……、僕は同じ級に居る人とやっていて次の昇級試験には合格して来月にはここにはいないんだろうな、新しく入った子よりも出来ないと思うぐらいだった。

僕が劣等感を感じていたのは何もスイミングスクールだけではない。もう1つの習い事でもある体操教室でも同じことを思っていた。

僕が習い始めた幼稚園年中の時でその時は1つ上の中道真斗(なかみちまさと)の2人だけだった。真斗は鉄棒、跳び箱縄跳び何を取っても僕が勝てないと思っていた。

真斗がすごいと言うよりも僕が出来なさすぎて俯いていることも多かった。

そして気がつけば体操教室には10人を超える人が通うようになっていた。

体操教室の先生は何も出来ない僕にも優しくひたむきに教えてくれた。

僕が通っていた幼稚園だが隣町にも第2幼稚園があり、体操教室の先生は夏にはかき氷を振舞ってくれたり、遠足として電車で動物園に行ったり公園に行ったりしていた。

僕は体調不良と劣等感を感じながら小学校に行き、習い事の体操教室、スイミングスクールに通っているがいつになったら出来るようになるのか、いつになったら上手くなっていくのか常にそれだけを考えていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る