第2話の補足

 この世界には主に『帝国』『皇国』『共和国』の3つの国があり、本文はその中の帝国が舞台になっています。元々帝国だけがこの世界の統一政府だったのですが、戦乱の果てに3国に分かれてしまったのです。

 まず、帝国が混乱して、多数の地域『我こそは帝国の後継である』という宣言とともに独立しようとした中、もともと半独立の状態であった地域が皇国となり、そもそも君主制が良くない、打破しようとした者たちが建国したのが共和国です。

 その成立の経緯のため、帝国は共和国とは潜在敵国として散発的に戦闘があるものの基本的には静観の姿勢をとり、皇国とはそもそも独立を認めず、幾度も戦火をかまえていました。




 春見の息子で、別動隊を指揮していた秋忠は、アロフィという土地で西帝国軍に足止めされていました。

 この地を治めていたのは剣星クライスといって、カンタールも一目おいていたという、希代の名将でした。かつて戦場で左眼を失ったことから、『隻眼のクライス』というあだ名もあります。

 また彼の旗下には『ヤマネコ』と呼ばれる山岳地帯に居住する獣人たちがいました。彼らはゲリラ戦を得意としており、ニンジャのようにあちらこちらに出没して、東帝国軍を悩ませていました。

 さて、ここらで苦境におちいる前の秋忠の動きを見ていきましょう。

 彼はワカツの動向を確認したのち、猫ヶ原へ向かいます。そのときに見送りにきた異母兄弟であるあきやすとしばらく語り合ったといいます。

 秋忠の任務は西帝国軍の影響がある地域を進軍して、のち春見と合流するということでした。アロフィ攻防戦もその一環です。



 帝国の有力な将軍や政治家の中で、皇帝の近衛兵を兼任しているの方々のことを、剣星けんせいといいます。




 春見と猫ヶ原には因縁があって、彼はこの地で2回戦闘をおこなったことがあり、結果的にはいずれも敗れているのです。




 フクロウ男爵は、カンタールの覇業を助けた四天王として知られています。四天王といっても入れ替え制で、彼は最初に入れ替えがあったときのいわゆる2期メンバーでした。




 ここで、天京院家について語っておきましょう。天京院家は数多くの分家があるのですが、春見や秋忠の家は四季しき家といい、春見の父である天京院夏げんが祖である新興の家です。




 この時期の帝国は内乱だけではなく、皇国や共和国の攻撃や間諜スパイの暗躍にも対処しないといけませんでした。それに対処することを命じられた中に、九條楓と、部下てしたのコンシディーンもいたのでした。

「まったく、どこもかしこもクソみたいなことばかりだにゃ」

「それをすこしでも掃除するのがわれわれの役目だぞ、コンシディーンくん」

「へいへい」

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