呪いの国の日記帳

濵田 雅之

0-0 第六王子 日記帳第一巻 前書き代筆第五王子


遂に俺の子供が生まれた。

今日と言う日をもって、俺は長く長く、数十年続けた王子と言う役割から降りる事になる。

いずれ失う事が分かっていた地位だ。

王子ではなく、ただの一国民になる事に何の躊躇があるだろうか。

心残りと言えばただ一つ。

我が子が争いのない、平和な時代に生き続けられるかと言う事。

そうなる為の努力を可能な限りしたつもりだし、皆もそう言ってくれている。

それが、どれほど夢物語であるかと言う事を知った上で、だ。

だが、願わずに入られない。祈らずにはいられない。

あらゆる神様に、もしかすれば邪神にすら到底受け入れられぬ、この身であろうとも。

恐らく、この世界でもっとも『呪い』を受けたこの身であろうとも。

ただ一人の親として、願わずにはいられない。

どうか、どうか我が子に、生まれ落ちた時から『呪い』を受ける我が子に……。

どうかほんの僅かでも幸あらん事を……。



後、追伸。どうか、良い嫁を見つけられますように。巨乳ならなおよし。

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