一つの小さな夜の音楽

@kafka_girl

第1話

 ある朝、不安な夢からふと覚めると、昨日から全く変化がなく、自分のままだった。なので、いつもどおり、5時半に家を出た。この時間に家を出ると、満員電車に乗らずに出勤できるのでちょうど良い。電車の中で、図書館の本を開けると、そこには、おそらく前に借りた人が残していった紙があった。

 「君に手紙を書くことは辞めると自分で決めたのでこのようにいやはや面倒臭いかたちで連絡を取ることになったのです。お元気ですか?君はいつも元気そうなので、聞くこともないんでしょうが、礼儀だと思って一応聞きます。」

 私は、この紙を栞として使おうと思い、そのまま本に挟んでおいた。

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