第2話 サンダルでスキップ!

 夏だ、夜だ、目の前に広がる。夜は夜でも賑やかなお祭りの夜、自然と足が早くなる。どこの出店も混んでいて、人にぶつかりそうになる。早く買ってまた花火大会の会場のビニールシートに戻らなきゃいけないんだけど、こりゃ間に合わないなあ。私は走る。友だちも走る。人数分のご飯の調達だ。焼き鳥とケバブと焼きそばとチーズドッグとスパイラルポテト。友だちはチョコバナナとりんご飴、かき氷。ちょっと買いすぎ?


 人の流れは花火に近くなるほど多くなり、ついに花火大会開始の放送が始まった。



「あちゃー、綺麗」



 花火は高くのぼっていき見事に咲く。見とれている人の横を抜けながら、やっとの思いでブルーシートへたどり着く。



「おかえり!」


「始まっちゃったな、まあ座れよ」


「買ってきた私たちにお礼はないのか!」


「ありがとありがと」


「もー!」



 ブルーシートには行きがけに買ってきたお酒の空き缶とおつまみの空が。私も飲んじゃう、乾杯をして食べ始める。友だちと友だちの彼氏さんと私と彼氏。つまりはダブルデートなんだけど、場所取りを任せた男たちは先に飲み始めていて、もう出来上がってる。まあお祭りあるある。早くに千鳥足の人も多いし。



 帰りの電車までの道も人が多い。道ばたにかたっぽのサンダルとか、ゴミも落ちてる。昔ゴミ拾いながらやる夏祭りに参加したけど、ゴミじゃないものも落ちてるんだよなあ。

 私は酔っ払い。スキップをする。



「できてねーぞ」



 楽しいからいいの

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