旅の支度 その1
「ちっ、気づかれましたか」
「流石に、それだけ邪念を抱かれれば気づきます」
「失礼ですね、邪念ではないですよ」
「何故、裸のまま布団に入り込もうとするのですか?」
「私、この世界の服もっていないから、レンから借りようと思ったの」
「昨日は?」
「エメラルダが用意してくれたけど、この世界の物じゃないからね」
朝になり、服がない事に気づいたので、レンに借りに来ました。この子、荷物持ちだったので、色々と持っているはずです。最悪、パーティメンバーの遺品を借りるつもりです。
こっそり忍び込んで、レンの寝顔を堪能する予定でしたが、気づかれてしまいました。残念です。
「色々と、聞きたい事ありますが、この世界の服、あまり上質ではないです」
「それは、仕方ありません。郷に入れば郷に従えというではありませんか」
「これでも?」
レンは、もそもそと、鞄をあさり、一枚の布切れを差し出しました。
「これは?」
「下着です。俗にいうパンツ?」
「これが?」
「はい」
肌触りのあまりよくない布切れです。ゴムの無い世界なので、紐で落ちないようにするみたいですが、野暮ったいです。せめて、かぼちゃパンツみたいなものがあればと思いましたが、これはちょっと無いです。
「エメラルダが、カタログくれたのは、こういうことですか・・・」
彼女が帰る前に、異世界通販のカタログを貰いました。私自身、戦功ポイントがあるので、通販で色々と購入できます。
「服はどうですか?」
「服は、こんな感じです」
冒険者用の服なので、デザインは二の次です。これは、目立つのを避けるために、この世界のもを使いましょう。
「レンは、どれが良いですか?」
「はい?」
「折角なので、貴方の分も下着を用意します。これなんか、可愛いですよ?」
「レッド様?」
レンは、ちょっと引いています。
「私は、この手の選んだ事ないので、どれが良いのかわかりません。レンはわかる?」
「私も、そこまでの記憶はありません。ただ、特に、今のままでいいです」
「遠慮はしない事。これなんかどう?」
「ちょっと、大人向けなのでは?」
「むー、こんなに種類があるとは思わなかったよ。時間はあるから、今日の所は、オーソドックスな物で良いかな」
「時間があるって、私ずっと一緒なのですか?」
「いや?」
「嫌ではないけど・・・」
「この辺の事は、この子が起きてから説明するよ」
サーシャは、まだ眠っています。よほど疲れていたのか、起きる気配がありません」
「はい、これ」
異世界通販を、ポイントで使用します。購入したオーソドックスな下着セットをレンに渡します。何気に、おそろいです。
「見、見ないでください・・・」
レンガ着替える所を、しっかりと観察しています。
「私、女性初心者だから、色々と知る必要がるの」
「なんですか、それは!」
文句を言いながら、レンは着替えます。実際、女の子になるなんて思っていなかったので、知らない事が多いのです。
着替え一つするにしても、知らないことだらけなので、しっかりと勉強しているのです。決して疚しい気持ちがあるわけではありません。知的好奇心です。
「冒険者の服という割には、特別何かあるわけではないですね・・・」
レンから、仲間の遺品を貰いました。
普通のシャツとズボンです。
「皮鎧、使いますか?」
「外套があれば、それをつかう。この世界の魔物と人では、私を傷つけることも出来ないし、鎧はエメラルダに貰ったから必要ない」
「解りました」
仲間の遺品に関しては、生き残っている人に、権利が移るみたいです。サーシャの意見も必要ですが、今だ起きることなく眠っています。
「中々、おきませんね・・・」
レンも、少し呆れています。
「管理精霊、このこ大丈夫?」
屋敷の管理をしている精霊を呼び出します。館の中の人の状態をモニターしているはずなので、何か知っているかもしれません。
「現在、強制睡眠モードを実行中です。疲労回復度70%。80%になったら起床プロセスを開始します」
「どれくらい時間かかりそう?」
「1時間です」
「了解。そのまま、実行して頂戴」
よほど、疲れていたみたいです。
「レンは、大丈夫?」
「私は、この子ほど弱くはありません」
「それも、そうね」
このこの強さ、大陸で1,2を誇れる潜在能力があります。加護の影響で、周りに試練を与える存在ですが、本人の強さに回りは気づいていなかったみたいです。
殺されると、怯えていたみたいですが、この子を殺せる存在は、中々いません。
「勝手に、着替えさせるのは、止めたほうが良いよね?」
「今後の事を考えると、駄目ですよ。一時期の欲で、関係を駄目にしたいですか?」
「我慢する」
折角なので、サーシャの下着を用意します。彼女は、私達よりもこの世界では年上なので、少しアダルトな物を用意しました。
しかし、下着だけでこれだけの種類があるとは、女性というのは凄いです。折角なので、サーシャがおきるまで、レンと一緒に下着リストを確認しましょう。
サーシャが目覚めた時、山盛りになっている下着を見て、呆れられたのは、封印したい思い出です。
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