第31話 人生、ここにあり!

「 人生、ここにあり!」


久しぶりにこんな重い映画をみた。


体力と気力に自信がある時しか見れない感じです。


レビューとポスターからは、予想できなかった。


軽い気持ちで見てしまった。


見た後、すごく考えさせられる作品でした。


精神病棟の患者達に、労働をさせるという部署に


配属された主人公が、普通の人と同じように労働させるって


思って、精神病患者の方を理解しないまま始めるので、


難しいのですが、段々彼らの、人としての才能や魅力に気づき、


彼らが、病院からでて社会に接触して、様々な事を経験していく


話しなのですが、この映画をみて、私は、精神病の方を全然


知らなかったなって思った。


身体的障害ではなく、人間関係における、外部からのダメージで


心が病んで、普通の行動ができなくなる。


それは、どれほど辛い事か、目に見えない、なかなか消すことの


できない傷を抱えながら生きなくてはいけない。


そして、暴れたり、社会にとって不適合な行動を起こさない


ように薬漬けにされて、管理されている。


そんな自分は、管理されてあたり前だと思っていた彼らが、


主人公に、自分達の事は、自分達で話し合って決めるって


言われた時、最初は戸惑ったけど、自分達の中にあった、


さまざまな欲望に気づき始める、お金を手にしてみたい、


あれも持ってみたい、着てみたい、自分達にできないって


思っていたことが、小さな行動からできると


自信をつけていく彼らの姿は、みていて応援したくなる。


彼らだって普通の人間だから、様々な欲があって当たり前


なのに、そういうことは、なんとなく、タブー視されているよう


に感じる。


この映画では、様々な欲望、物欲や、性欲、あらゆる、


人としての当たり前の彼らの姿を描きだしている。


これぐらいしかできないと思っていた彼らに、彼らにしか


できない仕事ができるようになってからの彼らは、


とてもイキイキしている。


薬漬けにされて、おとなしく管理されていた彼らには、


無かったものだ。


途中、今まで守られてきた彼らには、耐えられない現実も


突き付けられてきて、そういう意味では、病棟にいた彼らが、


社会に交わっていくというのは、そんなに甘くないって


思うんだけど、生まれ変わったような彼らの姿をみると、


病院にいることは、違うようなきがしてならない。


あと、今までの周りの人は「精神病患者にはできない」


「能力がない」って目でみてたけど、主人公は、


そういう目で見てなかったから、その才能に


気づいて、生かしてあげることができた。


これは、本当に彼らの生きる自信になり、私達も、


自分も含めて、周りはみんな才能があるんだって目で見てたら、


いろんな人の才能や魅力をみつけてあげられるんじゃないかって


思った。


それが、一人一人のイキイキした人生に繋がる。


最後に思ったのは、


「暴れたり、叫びたくなるのって、本当にダメなのかな?」


って事です。


本当に辛い経験をしてきたなら、その負のエネルギーを


自分の中からだしたくなるのは、当然なんじゃないかと思う。


それを、出しちゃダメ、無い事にしなさいって薬漬けに


するのは、管理するという点ではいいけど、そういう感情が


湧いてきてしまう自分を否定し、そんな自分はだめだって、


自分が自分にいい続けることになるんじゃないかと思う。


サンドバックでも、人が誰もいないとこで大声で叫ぶとか


暴れるでも、なんでもいいけど、迷惑かけない形で、


湧いてきた、辛くて、どうしようもなくて、出したくなる


感情は、あっていいんだよって認めてあげて、出させてあげると


いう事は難しいのかな?


私は、医者ではないから、難しい事はわからないが、


自分の家族がもし、そうなったら、そんな、暴れたい子供も


認めてやりたいし、暴れたいほど辛かったなら、それも、


受けとめてあげたいと思ってしまう。

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