あなたは愛する人を最後まで

翔丸

第1話 浮気発覚

前から置いていた作品です。良かったら読んでください。


 俺には彼女がいる。

 名前は園花美歌そのはなみか


 とても可愛い彼女だ。

 笑顔が無邪気で、頑張り屋で、料理が上手で、積極的な所が子どもっぽい。

 大学は違って中々会えないけど、その分デートの時はとても尽くしてくれる。


 そんなところが俺は好きだ。


 今日は美歌と付き合い始めて半年となる。

 まだ半年だけど、俺は彼女とやろうと思う。

 3ヶ月が倦怠期という話だ。それを越えて半年を迎えた。

 ちゃんと相談して、したいと思う。


 そう思って美歌を迎えに家にやって来た。

 すると、美歌は話があると家に上げて、リビングのテーブルに座らせて、向かいあった。


 そして、俺は思いがけない言葉を美歌の口から聞かされた。


「私、妊娠したみたい」

「は?」


 訳が分からなかった。

 困惑しかなかった。


 バイトがあって忙しいという事もあり、中々機会がなかったために、俺は一度も出来なかった。

 今日は前々からバイト先の店長と話をつけて空けてもらった。


 なのに彼女は、いや、だからだろう。

 バイトで一緒にいる時間が少なかった。

 だから、愛想をつかされたんだろう。


「別れよう」


 俺は自然と口にしていた。


「え…」


 何故か美歌は驚愕の表情を浮かべていた。

 何を驚いているんだ。

 浮気をしたんだろ。なのに、何でそんな悲しそうな表情をする。


「じゃあ、幸せにな」


 立ち上がり、俺はリビングのある部屋から出ようとした。

 その時、


「いや、やだ!いかないで!お願い!」


 美歌はまたも予想外の言葉を叫んだ。

 その瞬間、心の奥底から溢れてくる煮えくり返りそうな感情に俺の頭が一杯になった。


 歯ぎしりして俺は振り返ると同時に口を開いた。


「ふざけんなよ!浮気したんだろ!俺じゃ、不満だったんだろ、愛想が尽きたんだろ!俺じゃ……」


 俺じゃ、お前を幸せに出来ないってことだろ。


「ごめん、ごめんなさい。私、浮気した。でも、不満じゃない、愛想も尽きてない。君といるのは幸せだよ」


「だったら、何で浮気すんだよ!」


 なら、何でお前は、


「何で、俺より先に体の関係作んだよ!」


 俺から離れたんだよ。


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