Cyber Mafia/サイバーマフィア
名無しのタケフミ
第1話
渡(わたり)「はい、はい、仰る通りです。はい、ではよろしくお願いします!」
ピッ
渡「ふー。まぁその手形は明日不渡りになるんだけどなw」
渡「さてと、逃げる準備をしないとな。」
~ 翌日 ~
ピンポーン
・・・
『お掛けになった電話番号は現在使われておりません・・・』
渡「まぁ逃げ先は九州かな。博多ラーメンでも食べに行くか。」
タクシーをアプリで呼んで、乗り込む
運転手「羽田までですか?」
渡「えぇ、アプリで依頼した通りですよ。」
運転手「・・・アプリで依頼した通りですね。」
~ タクシー内 ~
運転手「お客さん、どちらまで旅行ですか?」
渡「博多までですね、友人に会いにね。」
運転手「博多ですか、いやーいいですね。私も実は九州出身なんですよ。」
渡「へー。」
運転手「博多はいいところですよ。是非楽しんできてくださいね。あ、そうだ。これ博多の有名な飴なんで上げます。」
渡「それはすみませんね。」
渡は飴を舐め始めると・・・すぐに寝てしまった。
バッ
運転手「少しお疲れのようでしたので、ちょっと眠くなる薬が混ざってます。」
~ 暗転 ~
金髪の白人男性「気が付いたようですね。」
渡が起きると、身に覚えのないソファーに座っていた。
目の前にいるのは、金髪の白人男性だった。
金髪の白人男性「私はね。少し前に日本に来たのですが、とても気にいってここに住み始めたんですよ」
金髪の白人男性「でもね。投資に失敗しちゃって。これなんですけど、ご存じですか?」
渡は差し出されて物が、今日から不渡りになった手形であることを理解した。
そう渡が運営していた会社のものである。
渡「これは・・・なんですかね?」
金髪の白人男性「これはとある零細企業に引っかかったフロント企業のものなんです。まぁそのフロント企業の社員は全員海外へ出向させたんですけどね。」
渡「へー」
金髪の白人男性「あ、申し遅れましたが、私はジェフといいます。あなたのお名前は、渡さんですよね。」
渡(なんで、俺の名前を知っているんだ?)
ジェフ「あ、いいですよ。白を切る必要はありません。私たちはあなたのことを少しですが調べたんで。聞いた話では、この手形に書いてある企業の代表をしていたんですよね。その時の名前は大蔵で、偽名であることはすぐにわかりました。」
渡「これから、俺をどうするつもりだ?」
ジェフ「話が早いですね。本当はあなたの身体を海外へ売り飛ばそうと思っていたんですが、日本人の人員が少ないんでね。あなたには我々の企業で少しお手伝いをしてもらいます。まぁ私はバイオレンスが好きではないんでね。」
渡の頭の中身は、すでに薬の売人か、オレオレ詐欺の受け子なのか、はたまたヒットマンをさせられるのかと考えていた。
ジェフ「うちのシステムの管理をしてほしい。調べたところ、君は人文情報科を卒業していると聞いたからね」
渡の予想は外していた。詐欺師である渡は仕事柄、人の嘘を見分ける能力があるのだが、ジェフが言っていることが嘘ではないということを・・・。
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