『【ツンデレな彼女の育て方 in 1994】 〜玉響-tamayura.endless night』三ノ宮 くろすけ
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第4回気になるどープロジェクト 評価シート
第4回気になるどープロジェクトがさっそく始まりました! 少し前回より遅いスタートで、しかも第2募集をかける前に書評を始めちゃおうという試みです。いろいろ気まぐれでやっていきます。
1 作品タイトル『【ツンデレな彼女の育て方 in 1994】 〜玉響-tamayura.endless night』
作者名:三ノ宮 くろすけ
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897382650
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 9月 7日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① もう書評はじめちゃおう、という気まぐれに作者さんを巻き込んで申し訳ありませんでした汗 あと、昨日のうちにやろうと思ったら、別の案件で忙しくなり、結局今日になりました。
要望がいくつかあり、タイトルやプロローグ、会話の味気なさ、ヒロインの名前の表記などで、案の定まじめに応えていたら動画が長くなってしまったので、特別動画で語れなかったこと以外は、さくさくと割愛しようと思います。
② (良かった点)
(1) タイトルと1994年の設定
なんで1994年なのかはまだわからないけれど、タイムトラベル&ループものでは、年数などがきちんと定められている方が間違いないですね。
タイトルにそれがつくのもなんかグッド。
長い、という点については、まあそのとおりだと思います。あとは動画へ。
(2) 第1話冒頭の独特さ
詩的な感じで独特。女性のモノローグも交じってくる感じで、抽象的だし混乱を招きそうにも感じるけれど、この表現に関してはむしろ良いなと思いました。なんでだろ。
(3) きちんと前振り
あとでヒロインを登場させるための前振りが良いです。とはいえ、ちょっとスムーズさはほしいかな。
(4) 作品全体の流れを視野に
時系列を崩してプロローグを前半に持ってこようと考えた経緯などを聞いていると、全体の流れは視野にいれながら読者の感覚を考慮して工夫しようとしているのだなと窺えます。仮説を立てて、検証しようという姿勢は絶対に必要ですからね。素晴らしいと思います。
③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)
(1) プロローグ
初っ端にプロローグとして13話を入れることの是非は、全体を見ないとわからないので、どっちとも言えませんが、狙いは間違ってないと思います。ただ、立てた仮説に対してのアプローチはちょっと失敗しているかもと私は感じました。以下動画。
(2) 各話のタイトルの章づけ
動画でも提案している通りです。ご自由に。
(3) 第1話『当時の俺』のモノローグがくどいかも
動画で詳しく話しています。
一人称作品でちょっとくどめの語り部を作ってしまうと、終盤までうまくそのキャラクターを保ちつつ、それでいてストーリーを上手く進行しなければならないので、ハードルが上がりがちだと思います。
同様の特徴がある主人公の作品で私が読み切れたのは『涼宮ハルヒシリーズ』と西尾維新さんの『化物語』や『少女不十分』とかですね。改めて気になって読んでみましたが、キョンのモノローグで始まるあの冒頭をどうして読み切れたのか、いまだによくわからなかったです。
たぶん具体性が強く、かつそれなりに共感できて、言葉選びもユーモラス、ということなのかなあと想像しますけど、どうなんでしょうね。
ちなみに入間人間さんの作品はけっこう好きで読んでいるのですが、『電波少女と青春男』の主人公のモノローグは、最後まで読み切ることができませんでした…(アニメは観たけど)。あと私も学生時代最後の作品として、くどさ強めの主人公でコンクール応募しましたが、3次選考まで行けず、評価シートでバッサリ「くどい」と切られてました。作品自体かなり未熟でしたが、諸刃の剣であることは間違いないでしょう。
とはいえ好みの問題もあるので、文章が読みやすくて興味をそそられる内容で、かつストーリーを進めるところはきちんと進める、というメリハリがあれば、あとは好きな人が読むんじゃないかなあと思います。読者からすると、ようは面白ければ良し、ですからね。
あとは作者さんの覚悟次第。
(4)会話の味気なさ?
動画の後半でいろいろ悩みながら語っていますが、基本的に無視していいです。
第1話だけではサンプルが少なくて、作者さんの言う「味気ない」の傾向がいまいちつかめませんでした。ただ、作者さんがそう自覚しているのなら、それは課題の一つとして年頭に置いておく必要があるかも。
魅力的な会話を描くよなあと感じる自分の好きな作品を数冊読んで、その会話文の特徴と、そこに付随している地の文の特徴などを調べるとよいでしょうね。
魅力的な会話と一言に言っても、その構成要素は「」の部分だけじゃないですから。
語りは一人称か三人称か。その言葉が登場するまでの地の文の積み上げ、そのキャラクターの性格や属性、立場に対してリアリティがあるか。そもそもキャラクター自体が魅力ある生きた感じのキャラなのか。あるいはあえて死んでいるような演者めいたキャラなのか……まあ、いろいろです。
どんだけウィットに富んだ会話文も、人の心を打つであろう名台詞も、場面やキャラなどの空気管がそこに合致してなければ、すべっちゃいますよね。
ちなみに余談ですが、私はウィット感あふれすぎな恋愛小説の台詞の応酬が嫌いです。作品にあまり中身がない場合は特に。
というわけで、あとは動画にバトンタッチ。
☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。
口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)
動画のリンク↓
https://youtu.be/xZ4xvnDsbb4
では、採点に移ります!
5 この作品の『 続きが気になる度 』は……
…
……
…………
【55%】です!
魅力のあるなしでいうと半々かなあと思いました。
今のところ、1話の続きを読みたいとは思いませんでした。ちょっといろいろ考える必要があるかなと個人的には思います。何か伸び悩んでいるように感じました。自分のイメージと読者の反応が違うとか、そういう認知不協和的なものが起きているんじゃないかと思い、とにかく私個人の感想を述べさせてもらいました。1つでも気づきになればいいかなと思ってます。
ループ設定やタイムトラベル設定など想像しうる魅力はあるけれど、第1話時点では、もうちょっと何とかならないかなと思いました。
ループものであれば、その設定自体が持つ強力な武器以外に、ループするまでの過程でも謎や引きを作らないときついかなあと思います。ループものがたくさん出回っている現代ならなおさらだと感じました。
6 読者のみなさまへ:
→ なかなか人気がある作品なので、第1話前半のくどさが許せる人なら、そのあとの展開も面白く読めるかもしれません! 設定は魅力的だから、ちょっとどんなものか覗いてみると良いでしょうね。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054897382650
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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