『機械少女のペンディング』ミヤシタ桜
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第2回気になるどープロジェクト 評価シート
1 作品タイトル『機械少女のペンディング』
作者名:ミヤシタ桜
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918266079
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 8月 20日
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① もはやこの企画の常連さんという感じで、個人的にどこか親しみを感じています。とりあえず必要な情報はある程度わかったのだと思いますが、今回でしばらく『気になるどー』の参加はしないというお話でした。たまに覗きつつ、必要な時に参加していただければ嬉しいです。
② (良かった点)
(1) 少し謎めいたキャッチコピー
あくまで私の感覚ですが「機械少女が日に日に機械となっていくことの何が悪いの? というかどういう意味?」という突っ込みを入れたくてあらすじに進んでしまいました。
一般読者がどう感じるかはわかりませんが、あえて突っ込みを入れさせるキャッチコピーというのも良いのかもしれませんね。
(2) あいかわらず独特の世界観
人間社会をカップラーメンで喩えるところとか、独特すぎて笑いました。
(3) 表現の独特さ
最初のうちは、なんでわざわざこんなよくわからない表現の仕方をするのだろう…と思っていましたが、慣れとは怖いですね。これはこれで、作者さんの持ち味なのだと感じるようになりました(例えばプロローグの作り方とか)。
好き嫌いは当然別れるでしょうが「自分にはそういう発想がない」という意味で感心しています。どちらかというと独創性というかアーティスティックな感覚ですね。
③ (全体を通して気になる点・主な指摘事項)
(1) あらすじが気にならない
動画で詳しく述べていますが、あらすじでは機械少女の説明をしているだけで、そこに連なるストーリーについては語られていないため、「だから何?」という反応になってしまいます。
せっかくキャッチからあらすじに誘導しても、この状態だとプロローグ及び0日目に繋がらないでしょう。
(2) 大手企業のリアリティ
会社で起こっていることのリアリティが弱くて、なんか薄っぺらいというか、幼稚なイメージになってしまいますね。
主人公がどうも社会人らしくないからかもしれませんが、だからこそ社会に対し疎外感を感じているとも言えるので、あんばいが難しいところ。使う言葉をちょっとそれっぽく変えてみるといいかも。
『その分自由な時間は無い』とか『休憩時間でも平気で仕事を押しつけてくるし、今日だって休日なのに、いきなり『今日中に処理しろ』などとメールを送ってきた。こんなことはしょっちゅうだ。間違いなくパワハラ。労基上はアウトだ』とか。
誰を対象読者にしているかにもよりますが、もしも「今まさに会社員で毎日苦労してますよー」という読者に読んでもらおうとした場合には、共感を得られない可能性があります。そうなると続きを読んでもらうことも叶わないでしょう。
私の即席の文章も微妙かもしれませんが、要するに彼らが使いそうな言葉遣いとかを研究しつつ、主人公のキャラクターを作り上げていく必要があると思いました。
(3) 人間のリアリティ
動画でもかなり時間を割いて説明していますが、星新一さんのショートショートのごとく、登場人物が大根役者というか、どうも作り物めいて感じられるんですよね……。
作者さんは私と同じでけっこう人間嫌いっぽいところがあるので(失礼。違ってたら本当にごめんなさい)、この弱点を直そうとすると、なかなか骨が折れると思いますね。
あくまで無責任な提案ですが、「常識的な一般の人ってどんな人なのかなあ…」という興味を持って、普段からアンテナを張っておくといいと思います。その『常識人』という人間性さえつかんでしまえば、少し創作が楽になる可能性があります。(読者に受け入れやすい作品づくりが、という意味ですね)
その『常識人』を主となる突っ込みのキャラクターにすることで、独創的な世界観の中に常識的な視点が入っていることを読者が感じるため、安心させることができるんですよね。
小説の場合はたいてい主人公が常識的な突っ込み役になっていることが多いですね。いろんな非日常が身の回りで起こっているときに、あれやこれやと読者に近い視点を通して細かく疑問を持って指摘することで、読者の共感が増すというか、読者を放置することなく物語の先へ連れて行きやすいからだと思います。
あくまで私の知見です。
とりあえずそんなところで、あとは動画をご覧ください。
☆もっと詳細が知りたい方は、こちらのyoutube動画をご覧ください。
口下手の尾崎ゆうじが一生懸命細かく解説しています。(だらだらしてるので倍速再生推奨!)
動画のリンク↓
https://youtu.be/cGBqmQYl3Yg
では、採点に移ります!
5 この作品の『 続きが気になる度 』は……
…
……
…………
【20%】です!
残念です…。現時点ではちょっと気にならなかったです。
機械少女の設定は「その設定でどんな物語を作ろうというのだろう?」という興味は湧くんですけど、現在提供されているそれは、あまりおいしそうに見えないですね…。
旬の美味しい野菜が採れたけど、ただ焼いてそのまま適当な皿に乗せて出しているような感じです。火加減とか、あるいは調理方法とか、器の種類とか……もう少し考えながら素材を使ってあげてほしいなあと思いました。
6 読者のみなさまへ:
→ 面白い作者さんではあるのですが、まだまだ未成熟な感じがします。生きづらいなあ、わたしも人間嫌いなんだよなあ、という読者さんは、ちょっと今後の活動を見守ってください。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひ↓のリンクからこの作品を読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054918266079
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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