小説の「続きが気になる度」を評価してみた!
尾崎ゆうじ
(※このプロジェクトを始めた経緯※)
私が無料投稿サイトを利用するようになったのは、ちょうどカドカワさんが『カクヨム』のサービスをスタートさせたころでした。
何年もちまちまと執筆をつづけ、コンテストに応募したり『小説家になろう』や『カクヨム』、『note』などのサービスを利用してネット上に公開などしていました。(noteは今も使ってます)
投稿作品が話題になって、そこから商業出版デビュー、売れっ子作家に! というサクセスストーリーも描いていました。
ところが執筆に一生懸命時間と労力をつぎ込み、人生を賭けているわりに、鳴かず飛ばず。いろいろやったものの、失敗続き。実力不足を痛感し、落ち込みました。
新たな何かが掴めないだろうかと、世界を広げるべく現在は4コマ漫画やイラストの練習をしています。
そして4コマ漫画を中心としたブログも始め、小説アカウントとは別にツイッターなども利用しています。ですがそれはそれで、なかなかすぐには結果が出ないわけです。
どれもこれも、一筋縄ではいかないのだと痛感しました。
(企画を始めてからは、書評も面白いと感じています。ちょっと本腰を入れて、ほぼ比重を書評にかたむけています。やっているうちに、また何らかの形でストーリーを書くと思います)
そこでふと距離を取って、視野を広げて考えました。
現在は、小説も漫画も、誰もが自分の表現したいものを表現し、読者に直接届け
られる時代です。でも逆に、届けたい側の人数が多すぎて、ゆっくり作品を見てもらうどころか、数ある中から見つけてもらうことすら壁が高くなりつつあります。
ツイッターで調べただけでも、物書きで投稿サイトを利用している方が大勢いることがわかります。もはや数が多すぎて、自分の作品をただ一読してもらうだけでもハードルが上がり、そこから作品改善やスキルの成長につなげようなんて、なかなか望めない状況です。
無料投稿で反応を見て、改善してクオリティを上げていく……そんな手法が主流になりつつありますが、そんな人が大勢いたら、読者の方がついていけませんよね。
なら読者を困らせる前に、最初にクオリティを上げるチャンスをくれる人がいたら、どうだろう?
率直に読者目線の感想をくれる人がいたら、どうだろう?
無料投稿サイトに埋もれた自分の作品を、コメント付きでピックアップしてくれる人がいたら、どうだろう?
すごく助かりますよね。
私と同じことを望む人たちが大勢いるならば、率先して私がその役割を果たしてみたらどうなるか、という興味がふつふつと湧いてきました。
でも、投稿作品の中には、何十話、何百話と続いている長編があったりして、とても1人で読み切れません。ましてその作品の完結までフォローするなんて無理です。
それでもなんとかできないかな……と思い、考えたのが今回の「気になるどー」プロジェクトです。
タイトル、キャッチコピー、あらすじ、本文の書き出し、第1話の展開──
最初のうちに読者の心をいかに掴むかは、小説にかぎらず、あらゆる媒体で最も重要視されていることであり、同時に最も越えるのが難しい壁です。
いかに名作であっても、掴みに失敗したら読まれません。せっかく読者が読みに来てくれたのに、1話目の触りだけ読んで離れてしまったら、無意味です。
だから私が冷酷な読者役となって、最初の段階でその作品に心が掴まれるかを評価し、率直にその声を届けます。
そうすれば、作家さんは作品をより良くするための判断材料を得られるし、もしもこのプロジェクトがある程度の注目を集めるコンテンツになれば、その作品は私の紹介を通して、通常よりも多くの読者の目に触れることができる──つまり、より多くの読者の反応を得られる。
さらに読者は、私の評価、レビューを参考にして、読むべき作品を絞り込むことができるし、より質の高い作品に出会う可能性が上がる。探す手間が省ける。後の大人気作家さんの下積み時代を応援する立場になれる(かも)。
最終的に『カクヨム』がより一層活性化する。広告収入が増え、『カクヨム』でお金を稼げる作家も増える。(最近わたしも応援のためにちょくちょく広告クリックしてます)
そうなったら最高じゃないですか。
これなら、まだまだ書き手としては未熟な私でも、エンタメ業界全体の役に立つことができるかもしれない。
そういう思いから、このプロジェクトを始動することにしました。
作家のみなさん、どしどしご応募ください。
読者のみなさん、応援よろしくお願いします。
by 尾崎ゆうじ
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※近況から追記(2020年12月02日)
最近とても嬉しいことがありましたので、その情報を踏まえ、新たな知見を共有したいと思います。
数ヶ月前に私がこっそり秘密のペンネームで投稿していた作品が、予想に反して最終選考に引っ掛かっているようでした。
嬉しいのですが、それより先に感じたことは、身の回りのリアルな知人に作品を読んでもらうことのリスクです。
今回、私が秘密のペンネームを使ったのは、ほんのお試しのつもりでした。作品のジャンルやコンセプトなどを諸々ふくめて、ちょっと知人が誤解しそうな内容だったからです。
特に私の場合は、『尾崎ゆうじ』のペンネームを両親や妻、前の職場の同僚や上司も知っているはずなので、意図せず誤解を生んで、余計な摩擦を生みたくないということと、単純に「こんなの書いてるの笑」という反応をされるのが恥ずかしかったからです。
でも「きっとこんな作品がいま世の中にあれば、喜んでくれる人はいるだろうな」という内容だったので、私の身の上による躊躇によって、それを世に出さないのはもったいないというか……おこがましいですが、誰かが損をするんじゃないかと感じたのでした。
結果、恥じらいだとか気にせず、顔のわからない読者の喜びにフォーカスした作品は、現時点でも、一定の評価を受けているようです。私の素性を明かせないという代償はありますが、そのぶん恥じらいのブレーキを外すことで、私自身も新たな挑戦ができ、読者も喜ぶ作品に近づいたわけで……。
目的に近づこうと思うなら、身近な人(特に利害関係がある人)以外の方に読んでもらったり、別ペンネームを作ってみるのは、ひとつの有効な手段だと感じました。おすすめです。
by ***ゆうじ
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