!!特別フル読み その③!!
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第1回気になるどープロジェクト──フル読みバージョン──
第1回気になるどープロジェクト完遂記念のオマケ企画、『第1回の作品の中で個人的に気になった作品をピックアップし、勝手にフル読みして感想を正直に述べる』の3作品目の発表です。
いやー、3作品だけやろうと決めていたものの、じゃあどれを最後のひとつにしようか悩みました。
いくつか選択肢がある中から、最初の5・6話を読んで「一番続きを読みたい&一番読者さんにお勧めしたい」という気持ちになったものを選びました。
(注)……フル読みとは、キリの良い部分か、あるいは気になり続ける限り読むことを指します。公開されている全話を通読することを確約するものではなく、途中で続きが気にならなくなったらそこで中断する場合もあります。
繰り返しになりますが、頼んでねーよ、という作者さんは、お手数ではありますけど当ページコメントか近況ノートにある連絡ノートにてお知らせください。気づき次第すぐ消します。
では、今回フル読みに選ばれた作品は(3作目は)、こちらです!
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1 作品タイトル『年上好き彼女に好かれたくて気づいたら先生になってた』
作者名:白藍京
2 作品のリンクはこちら↓
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898645617
3 尾崎が作品を最初に読んだ日:
2020年 7月 13日 → フル読み 8月 6日(この時点での全話53話まで)
4 メモ(感じたこと、作品内容など):
① 本作をフル読みにした理由は、
ちょっと真面目な作品を読み過ぎていたので、少し肩の力を抜いて読めるものを私が求めていたことと、単純に数話読んで面白かったこと、ですね。
前回評価した時の採点を確認すると少し辛めですね。面白い作品なんじゃなかろうか、と思いつつも、1話目でかなりつまずいてしまい、決して『続きが気になるどー』ではなかったんですよね。
その点を比較的キツめにごりごりと指摘した気がします。正直、嫌われそうだなと思ったくらいです。
ところがそんなことはなく、むしろすごく感謝されて、私もありがたいなと感じました。
作者さん自身も、第1話については迷いがあったらしく、私の指摘とばっちりマッチしたようでした。これは非常にうれしい。
それで今回改めてフル読み候補として読んでみたら、さっそくリライトされていおり、しかも面白かったんですよね。改善された後の第1話、すごく良いです。ちゃんと「学年で一番有名人のあの子がどうして?」という疑問が浮かぶような形式になっていました。素晴らしい~。
その後の2話目でのフォローなどもちゃんと改めてます。
そもそも人気があった作品でしたが、今回改めて見たら、もっと伸びていましたね。すごい。やっぱり受け入れられてるんだなと思いました。
② (良かった点)
(1) キャラクター!
ラブコメには当然必要なことですが、キャラクターがなかなか良いですね。私は個人的にメインヒロインの姫よりも、自由に動き回ってる乙や白鳥先生などの方が好きです(好みの問題かなぁ)。
主人公も良いですね。共感しやすいです。
それと、4月生まれのリアルを知ることができてよかった。「へえ、そうなんだと」一人で笑ってました。
全体的に、過度なわざとらしさが少なくて、キャラクターはちょうどいい具合かなと感じました。ストーリーが一風変わっているので、そこまでキャラクターで肩ひじ張らなくてもいい、という利点もありますしね。
(2) 何この展開……。
途中から「ん?」という展開になってきます。主人公が突然十歳も年齢を重ね、なんと自分が通っていた高校の教師になっている、というトンデモ展開も「ん?」だと思いますが、それだけじゃないのが良いところ。
アイディアをよく練ってるなあ……というのと、それを上手く表現できてるなあ……というところが評価ポイントですよね。
アイディアは思いつくけど、それを『読者が納得し、かつ楽しめる形に作り上げていく』のが難しいんですよねえ。そこが一番価値のある部分というわけなんですが……。
第1話のリライトのこともそうですが、作者さんはかなり粘り強く続けてきたのだろうと頭が下がります。
その肝心の「ん?」の展開は、ぜひ本作を読んで確かめてほしいですね。これが人気の秘訣であり、本作の核になります。
(3) 主人公と乙とのやり取り(遭難時)
乙真珠というなんだかすごい名前の女性キャラがいるのですが、彼女と主人公が森で迷子になり、その時のやりとりが秀逸でした。
単純にコメディとしてウケるのと、ストーリー上の秘密の一部が打ち明けられるのとで、この場面はすごく上手いなと思いました。純粋に、3章後半の引っ張り具合はたまらないです。
(4) 設定の説明の工夫
上記でも取り上げましたが、本作ではけっこう設定上説明をしなければならない箇所が多く、それについての説明が退屈にならないよう読者に配慮しているのがうかがえます。すごく大事なことですね。ありがたいです。
(5) 節度あるラブコメ視点
作中で『セクハラ』という言葉が登場するのですが、そのセクハラに対する認識の高さに、『ああ、最近の時代の流れを汲んだ常識ある作者さんなんだなあ』という安心感を抱きました。
ラブコメだけでなく、男キャラと女キャラの恋愛的あるいは性的絡みのある作品は、常にこの問題にさらされます。完全に男性読者のみを対象にしているという割り切った作品であれば別ですが、それにしたって「これは異性に対して失礼な表現だよな」と自覚しているかどうかは大きな違いですよね。酷いものは同性でも引きますし。
さすがでございます。
③ (全体を通して気になる点)
(1)目立って誤字とわかるものや、微妙な箇所がいくつか見つかったので、一応お知らせ。
・6話目、白鳥先生の『チワワのような走り方』ってなんだろう……4足歩行? 目がキラキラしているとか、そういう表現ならわかるけど、飼ったことないしわかんないな……。
・14話目、白鳥先生の最後の発言に対しては、「え、どういうこと?」みたいな夏彦本人のリアクションを何か挟んだ方がいいんじゃないかなとおもうんですよね。なんか、白鳥先生の不思議な力でがくっと崩れて意識を喪失したような、そういう誤解を受けそう。
・33話に『統一』という言葉があるのだけど、ちょっと意味合いが違うような……。全員がそれを有する、という意味ではあんまり使わないような気がするんですよね。じゃあ何が適切かという問題になりますが、良い熟語がいまいち思いつかないんです。ちょっと確認してみてください。
・39話 誤字『お兄さんが無く亡くなっていしまった』
・47話 誤字『出入りが自由が自由な』
・53話 誤字『生まれてくれべき』
細かい指摘は以上ですかね。
(2)山場という山場があんまり無い?
データを確認すると、5章までで8万字を超えるくらいの文量でした。
最終的に一区切りつくまでどれくらいの文量になるのかはわかりませんが、この段階で大きな展開はひとつ。あとはけっこう小さめのイベントがちょこちょこありつつ、その中で謎と設定説明を繰り返す中で、徐々にヒロインと主人公が近づいている。
5章で全体の下地ができたようなイメージというか。私個人の感覚としては「面白いけど、ここまで読んでまだ盛り上がらないのか―」という印象でした。 ~~~~~~ ←グラフにするとこういう状態が続いているような。
長さや形式にとらわれないのがネット小説(そもそも小説自体がそうだけど)の良さではあるけれど、あまりだらだらし過ぎると日常系やスローライフ系のようになってしまいますからね。
少なくとも私は本作を読む際にそういう展開を期待して読み始めたわけではなかったので、もしも望んでいた展開から外れすぎると嫌な気持ちになりますね。だったら始めからスローライフものを読みますし(そんなに好きではありませんが)……。
そろそろ大きな盛り上がりがあるといいな、と期待しています!
(3)設定説明
工夫はしてくれているのですが、どうしても設定説明が長くなる印象は否めませんね。特に部長たちが掛け合いをしながら説明するところは、とても工夫されていて本当に読者に対する配慮が素晴らしいと思うんですけど、やはりそもそもの情報量の多さも手伝って「いいから端的に説明してよ……」という感想は抱きました。
ちょうど真珠(澪)が寝たあたりから、私もそろそろ……と感じ始めたので、もしも他の読者もそう感じているようであれば、もっとストーリー進行やアクシデントと絡めながらやっていくとか、すでに説明は終えたような描写をして、主人公が必要になったタイミングでその情報だけをぽんと思い出すようなやり方をしてもいいかもしれません。
トータルで見ると、後半の方の誤字脱字、設定説明に関してなど指摘はしていますが、けっこう純粋にストーリーを追いかけていたので、それですぐに読むのをやめちゃおうという気持ちにはなりませんでした。
やはりそれなりに世界観に乗って勢いがついてくると、そういった『要指摘箇所』も道端の小石程度にしか感じなくなりますね。冒頭だったら絶対見過ごせないでしょうけど。
というわけで、全体的に面白かった!
あとはちょっとネタバレも絡むので、最後の最後にもう一つ、作者さんに向けてのみの指摘をいれますね。
では先に採点いきます。
5 この作品の総合おすすめ度は……
…
……
…………
【90%】です!
現在フルで読んだ段階では上記のように指摘箇所もいくつかあったので、ちょっと下げた感じです。
100%でもいいような……と思いつつ、そんな易々とお勧めしてよいものかと冷静になりました。100%おすすめとなると、ほぼ一区切りついている状態で書籍化レベル、ということになるんじゃないでしょうかね。
いや、おまけで始めたフル読みの基準なんてあいまいですけど。いずれきちんとフルのおおまかな採点基準も定めて、ついでに気になるどーの採点基準も変えていこうかと思います。
6 読者のみなさまへ:
→ ラノベ系ラブコメだから多少読者を選ぶ可能性はありますが、非常に面白い作品です(今のところ)!
私が感じた「ん?」をぜひみなさんも感じてほしいです! もっと人気作になりそうな予感がします。
以上、最後まで目を通していただきありがとうございます!
気になった方は、ぜひこの作品のリンクをコピーして読んでみてくださいね!
https://kakuyomu.jp/works/1177354054898645617
では、次の作品紹介をお楽しみに!
尾崎ゆうじでした!
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※作者さんへ↓
52・3話でおじいちゃんに出会って説明を受ける場面ですが、アルタイルという用語がでてきた時に、主人公が『夏の大三角』と絡めてベガと同盟関係にあるようなモノローグをしていますが、その前の説明をずーっと読み返しても『同盟関係』が登場していないので、「その情報だけで同盟関係にあるっていう推測はできなくない?」と感じました。突拍子もなく出てきたと感じ、気になったんですよね。
同盟関係をここで説明するなら、おじいちゃんに言わせるか、あるいは前の段階で姫などに説明させるかしかありませんが、なんとなく現時点では読者に紹介しなきゃいけない情報かどうか疑問なので、その辺も含めてちょっと確認してみてください。
今回の企画の中で、本作がもっとも自然に「読みたいな」という気持ちで引っ張られた作品でした。今後さらなる面白い展開期待してます。
ではでは。
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