　魔道祖師、人渣反派自救系統と同じ原作者の作品。bilibiliで配信中。全11話の予定。

　主人公謝怜は、かつて栄えた仙楽国の王太子であった。文武両道、才色兼備で誰からも慕われ、天に昇って神とまでなったが、二度天界を追放され、三界の笑い者とまで呼ばれていた。

　その、謝怜が三度目の飛翔を果たし、天界に戻ってきた。不在の守護神に代わり、十七人の花嫁失踪事件の解決を命じられた彼は、現地で謎めいた青年に出会う。やがて、彼と謝怜の数百年にわたる因果が紐解かれていく。

　配信前から、前作の魔道祖師と比較され、相当のプレッシャーを受けていたと思われるが、見事払拭。背景は魔道祖師ほど精緻ではないが（あれは化け物クラス）キャラクターや動きは、こちらの方が、より洗練されている。ただ、魔道祖師には魔道祖師の良さがあり、甲乙はつけがたい。そもそも、あの作品がなければ、天官賜福がアニメ化されることはなかったのだ。

　第一話は例によって35分。花城が登場してから、エンドロールまでの流れは圧倒的で泣きたくなるほど美しい。

　成功が約束されている作品と言う者がいるが、それは違う。失敗を許されていない作品というのが正解だ。スタッフの重圧を思う。

　今季の期待作。