捌 闘羅大陸あるいは斗羅大陸(2018年1月~2023年6月)
テンセントで配信中のCGアニメで120話以上続いている人気番組。同名のネット小説が原作(2009年完結。続編あり)youtubeの公式配信でも公開されている。マンガやドラマなどメディアミックス展開もされている(ドラマの邦題は斗羅大陸となっている)
ストーリーは、転生もの。暗器名門の外弟子である唐三(中々のイケメン)は、禁じられていた秘伝書を見たことにより、門人たちに追詰められ、崖から身を投げる。彼は別世界に転生し、村の鍛冶職人の息子となる。そこは、近代ヨーロッパに似た世界で、それぞれの持つ武魂(獣、植物、器物、食べ物、武器など魂の属性みたいなもの?)によって人生が決まる世界であった。
最高の魂力値を有するにも係わらず、唐三の武魂は人畜無害の藍銀草(社会的に大成はできない)で将来は決まったかと思われた。だが、彼にはもう一つの隠された武魂があった。唐三は、この世界の最高峰、魂師(ソウルマスター)を目指す。
審査官に武魂を判定される下りは、ブラッククローバーのグリモワールを連想(原作はこちらの方が古いけれど)武魂というのは、通常父母の何れか一方のものを受け継ぐもので、二つと言うのは極めて稀らしい。唐三は父親から、もう一つの武魂については、やむにやまれぬ時以外、人前で使わないよう約束させられる。どうやら、父親の過去にも何やら秘密があるようだ。
何と言うか、学園ドラマとバトルとファンタジーが、ごった煮になったような遊園地のような作品。唐三のいる国は、昔のヨーロッパ風なのに、隣の国の街は、滅茶苦茶現代風情な欧米風のホテルや娯楽施設がある、と思えば学校はテーマパークのようだし、神秘的な森はあるし、訳が分からない。
そもそも主要登場人物の名前は中国系なのに、突然、フランドルとかオスカーとか出てくるので、何それ? なのだけれど、そんなこと気にならない。見ていて素直に楽しい。冒険とバトルとヒロインとのロマンス?がいい具合に配されているせいだろうか。尚、今のところ(24話まで)美少女キャラが3人ほど登場している。
唐三は前世の記憶を基に、幼い頃から鍛錬しているので、戦闘能力は非常に高い。加えてかつて優れた戦士であり、自分の現状(まだ子どもであり、未熟であること)を理解し、相手の実力を見て戦闘を組み立てていく、という怜悧さも持ち合わせている。前世の武術と現世の武魂を組み合わせた戦法が中々利いている。
バトルが力押しや必殺技一辺倒でないところが興味深い。
CGアニメというのは、グラフィックの情報量が半端ない、とつくづく思う。映像的インパクトが2Dとは桁違いだ。仮に2Dで作られたら、これほど面白いと感じなかったかもしれない。
気になるのが、これからファンタジー作品の映像化、特にアニメについては、どうなって行くのだろうか、と言うこと。日本は専ら2Dであろうけれど、かなりクオリティーの高いものを作らない限り、映像的に見劣りするのではないだろうか。
また中国ではファン層の世代交代も進んでおり、日本の漫画やアニメに愛着を持っているのは一定より上の年齢層であり、若年層はそれほどでもない、という話も聞いている。
世界的にはどうなのだろう?
ともあれ、作品評価は怪作。
追記: 2023年6月現在、完結した模様。
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