私が僕になるまで

深山雪華

プロローグ〜思い出〜

律葉 りつはね、おっきくなったらママと結婚するのっ」

幼稚園児だった頃だと思う。母に「誰と結婚したいの?」と聞かれた。

「りっちゃん、いい?りっちゃんもママも女の子だから、結婚は出来ないのよ?」

「どうして?」

母はしばらく黙った後、少し困った顔をしてこう言った。

「普通女の子は男の子を好きになるものなのよ、きっとりっちゃんも好きな男の子ができるわ。」

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