なおかつ、先輩×アウトロースター
鈴木いちまち
プロローグ
「私たちが生きるこの世界は、天・地・人の三つで構成されているわ」
谷川栞部長は、いつも放課後の屋上で、夜空を見上げている。
「天とは、天文学。地とは、地学――」
彼女は、腕組みをして、屋上のフェンスを背に独り立つ。
「――人とは、これ私たち」
暗闇の中、彼女の表情はうかがえない。
ただ、背後の夜空に天高く輝く北斗七星が、常に絶対の自信を身にまとう彼女の姿を象徴する。
「天・地・人、それらを包括するのは、すなわち天文部――高花高校天文部」
わたしも彼女も、宇宙と大地の間にいる。
とてつもなくかけ離れた両者を、まとめて相手して一緒くたにしてしまう、とんでもない部活が、わたしたちの高校にはある。
「ようこそ、高花高校天文部へ。私は、あなたの入部を歓迎します」
谷川栞部長はそう言って、星明りの下でにっこり微笑んだ、ようだった。
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