短編集 kimi no 心臓 ni KABURITUKITAI ore!

ズバーP 

 俺の目指す獲物は?

 俺は最近いつも彼女を見つめている。

彼女の家が近いのかも・・朝、目が覚めるといつも俺の隠れ家付近を通るのだ。

食事に行くのか彼女は仲間たちと連れ立って歩く。

その姿、綺麗です。

でも本当は俺には彼女の真実は分からない。

彼女がきれいだ。とは分かるものの、実は俺の視力はそれ程、良くはないから。

だから、きらめく瞳に艶めく首筋。白く柔らかそうな腹部を彼女が可愛く外気に晒していたとしても俺にはつぶさに見る事はない。なのになぜこんなにも語ることが出来るのか・・惚れたせいで特別に良く思えるんだろう、想像力ってやつさ。

俺が彼女の側に寄って声を掛けれる機会などあるわけない。

明らかに彼女が他のオトコをさそうような恰好をしていようが、たとえ発情したメスの1匹にまで墜ちようが、悲しいかな俺には全く関係ない。

そもそも、本当に俺達の間に関係など全く無いのだからあたりまえだ。

俺から彼女に興味を示そうとしても、住む世界も違うし彼女自身にすれば全く知らないヤツが寄って来るのだから恐怖でしかないだろう。

それでも俺は彼女が好きだ。動く彼女をつい目で追ってしまう。

こんなこと知れたら嫌われると分かっていても止められない。

彼女の白いふともも、白く細い首筋。ああっ 好きだ。

舐めしゃぶりたい。

彼女を単なるSEXの相手ごときにはとても見れない、見られない。

俺の欲望が深すぎるから。あれも、これも。

彼女のすべてが欲しい。

なめらかな表皮から真っ赤なあつい血潮が吹き出してぼくの喉を潤してくれたら。

力強く動く白い太腿や、二の腕に隠された食べ応え有りそうな筋肉組織も。

柔らかそうなおなかの中に収められた、腸や卵巣。

彼女の育もうとする次の世代までもがぼくの栄養になるのだ。

たまらない。たまらない。たまらない。

こんなの我慢できるわけがない。

いますぐに飛びかかりたい。押さえつけて、彼女の抵抗を無に


でも単なる死体じゃ意味がない。


つい、いまさっきまで泣き叫び暴れて、生きていたのでないと・・。


恋も君も熱あつでないと・・。


こんな僕は君らからしたら狂ってるとしか思えないかもね。


だからこそ、これは俺だけが理解できる崇高なことなのさ。



この世でもっとも一番きみをあいしている。きみのすべてを愛しぬいているからこそ、到達できるとてもすばらしい地点なんだよ。

ホントに君にはわかるかな?




ティラノサウルス・レックス の俺から エドモントサウルス・アネクテンス の君へ送る愛・食欲アイしょくよくの歌。

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