GIFT

坂本治

あらすじ・舞台解説

             


 

 宇宙は悠久の年月の中、誕生と消滅を繰り返してきた。星々、生態系、文明、都市。果てしなく生と死を追い続けた。


 人類のみならず、多くの生命は進化を遂げた。掛け合わせ、時にひき算、常に新しい力を求めた。

 そして手にした力はそれぞれの役割や宿命を背負い、運命の歯車に乗せられ進んで行く。姿はどうあれ、言語がどうあれ、住まう世界が違えども皆魂を有している。種族も国境も多くの隔たりはある現状、それを取り払うことは善なのか、それとも悪なのか。


 そこは見るも新しい生命たちが暮らす文明が栄えた世界。

 古い歴史が失われても、数々の魂に刻まれた文化は時を越えて繋がれている。生き物の姿は鱗に覆われた翼の生き物、太陽を隠すほど大きな獣、また小さく輝く翼の生えた小妖精。それから人型も。善なるものと悪なるもの。そして導くものと導かれるものが創造されたのだ。

 創造の者はいま祈る。全ての魂が、愛と支えの中にありますように。




 あらすじ

 いくつもの大陸と、大小の島々にそれぞれの種族は住まう。国を建て、交流し多くの営みは育まれている。

 そこらを覗けば統一されていない中華の国々。広大な砂漠の国に、森林のしげる暑い国。絶対零度の帝国に民族たち。科学の進む国に、原初の文明を守る国、星を観測する国に魔術を構築し得た国。

 だがどの文明も、どの国もが力を得ても離れられないものがある。


 それは生死の摂理とその行先。


 生ける生命は、恐れや憎悪を向ける対象とその留場をつくった。それらが肉体の死をもたらすと考えたからだ。そして生者の住まう地上から奥深く、邪悪の巣食う地の底の世を生み出した。かつて語られたパンドラの箱のように、輪廻する生命から外れた悪を地獄へと閉じ込めたのだ。

 その悪たちは今もうごめいている。平和な世を反転させ、自分たちこそそれを手に入れようと考える。

 地獄の魂たち、すなわち悪魔は地上の生命を脅かす。小さな悪魔が抜け出てくるのは撃退できても、いずれは大きな激動へと向かっていく。


 そこで結成された悪から防衛する組織。彼らは与えられた力の強さゆえに社会から外れた者たち。共に運営される部隊と機関の信条は平和で永い繁栄の実現。

 生々流転の全てのものを守る者たち。彼らは世界を、地獄に封鎖した悪から救えるのか。




【世界の構造】

 天上界……魂の帰りつき、発つ所。

 地上界……肉体を得て過ごす場所。苦しく修行の時間という。

 冥界……構造上遥か地底にあり、肉体を抜けた魂が連れて行かれる所。現生での罪の数を告白し、然るべき対処をする間しばらく滞在する。罪の多いものは処罰を受け、通過を許されたものは天上へ向かう。

 常に清めの雨が降る。この地に地獄を封じる門がある。






 



 



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